同姓同名でギネスの「タナカヒロカズ」さんら会社設立、 究極の縁故企業が目指す新経済圏
同姓同名の人が1カ所に集まるギネス世界記録を2022年に打ち立てた「タナカヒロカズ」さんたちが1日、「タナカヒロカズ株式会社」を設立した。交流会などを通して知り合った全国約250人のタナカヒロカズさんらの持つ多様な技能や個性と、タナカヒロカズのブランド価値を活用した新たなサービス事業を展開する。同姓同名という偶然のつながりで集まった共同体の互助や共助を通じ、新たなコミュニティー経済圏の確立を目指す。 ■タナカヒロカズの知名度活用 「タナカヒロカズは普通の名前だけど、その高い知名度を考えたらIP(知的財産)になる。250人のネットワークを使えば世の中の役に立つことができるのではないか」 こう話すのは、1994年から「同姓同名運動」を続けてきた田中宏和さん(55)。今年2月、タナカさんらとの会合で起業の話が盛り上がったの機に、会社設立へ動き出したという。田中さんは勤めていた広告代理店を退社し、設立会社の社長兼最高経営責任者(CEO)に就任した。 タナカさんたちは集まりの中で、仕事やエピソードにちなんだあだ名で呼び合う。今回の新会社は社長を務める「ほぼ幹事」のタナカさんをトップに、取締役となった「渋谷」と「レコード」の計3人が200万円ずつを出資して設立。本社は中心メンバーが集う東京・渋谷に置いた。 ■特技結集で事業展開 250人のコミュニティーには、弁護士や司法書士といった弁士に加え、経営コンサルタントやITエンジニア、一級建築士、ドローン操縦士などさまざまな職業資格を持ったタナカさんが集う。そうした多様性を有す中で、核とする事業に「ブランド・エンタテイメント事業」を据えた。「タナカヒロカズ」をブランド化させた実績を武器に、起業や開業、ブランドの開発を支援していく。 このほか、「デジタルとデザイン」の分野では、ITの専門知識や技術を持つメンバーの力を生かし、アプリ実装やネットワーク構築まで一気通貫で行うサービスを提供。また、「チア(応援)」をテーマにした事業では、タナカヒロカズとしてドラマのエキストラに集団で出演したり、新装開店した店舗に集団で並ぶなど「話題づくりサービス」のようなユニークな事業も展開するという。 ■まずは同士の悩み事解決