背中に込める熱い思い 「バックナンバー」珠玉のエピソード【セ・リーグ編】
巨人・秋広優人「#55」伝統の重みを背に
高卒1年目のオフにその番号を託された意味はよく分かっている。松井秀喜が背負った『55』は、もちろん球団の大きな期待の表れだ。そして昨季、一時はクリーンアップを任されるなど一気にブレークを果たした。それでも慢心はない。「ジャイアンツの55番は偉大な番号。『55番を背負わせてよかった』と思われるくらいの選手にならないといけない」。オフには10kg近くの増量に成功し、フィジカル面は着実にアップしている。背負う番号に見合う選手になるために。左翼のレギュラー争いを制して開幕スタメンに名を連ねるのはスタートラインに過ぎない。
中日・梅津晃大「#18」たくましさを増した大型右腕
北谷のブルペンで力強い真っすぐを投げ込んでいる。今年でプロ6年目を迎える梅津晃大だ。入団当初の背番号は『28』だったが、3年目の2021年から『18』に変更。「小さいころから松坂さん(松坂大輔、元西武ほか)にあこがれていました。プロで松坂さんと同じ『18』を着けるのが一つの夢でした」と球団に直訴。その松坂が中日時代の19年に背負い、1年の空白はあったものの、梅津が受け継ぐ形になった。狙うは開幕先発ローテーション入り。右肘の状態に問題がなければ、間違いなくそこに名を連ねるだろう。6年目の飛躍を期待せずにはいられない。
阪神・平田勝男「#78」名参謀の意思を引き継ぎ
現役時代、岡田彰布監督と二遊間を組み、岡田監督の第1次政権下でも『78』でヘッドコーチを務めた平田勝男。2013、14年は二軍監督として『72』を着けたが、オフに再びヘッドコーチとなる際、「背番号『78』に替えてもらうように球団にお願いした。島野さんを見て、いろんなことを勉強した。理想のヘッドコーチは島野さんだから」と星野仙一監督の名参謀として知られる島野育夫の番号を再選択。星野監督時代に専属広報だった平田は、「鬼軍曹」とも言われた島野のいいところを取り入れ、平田ヘッドの味も利かせたやり方で昨季復帰した岡田監督を支えて38年ぶりの日本一へと導いた。
週刊ベースボール