背中に込める熱い思い 「バックナンバー」珠玉のエピソード【セ・リーグ編】
背中に“魂”を宿しながらグラウンドに立つ選手たち。多くの選手が背番号に熱い思いを込める。数字の裏に隠されたストーリー。背番号に関する数々のエピソードを集めてみた。 【選手データ】佐野恵太 プロフィール・通算成績
DeNA・佐野恵太「#7」外野からあこがれた背中
長崎啓二やカルロス・ポンセ、鈴木尚典ら好打者の象徴である横浜の『7』の伝統を引き継ぐヒットメーカーだ。2017年にドラフト9位で入団した当時は『44』。主将としてレギュラーをつかみ、首位打者となった20年のオフに球団から『7』を打診された。「うれしかったですね。僕でいいんですかって思ったし、光栄でした」と振り返る。19年までDeNA初代主将の石川雄洋が背負い、その後ろ姿を外野から「カッコいいな」と見ていた。変更時、石川から「お前らしく頑張れ」と声を掛けてもらった。今季はキャプテンの座を牧秀悟に譲り渡したが、背中で、プレーで引っ張り続ける。
ヤクルト・石川雅規「#19」好左腕の系譜を受け継いで
その背番号を着けて23年目を迎える。2002年の入団以来、『19』を背負ってマウンドに立ち続けている。入団時、提示されたのは『11』『17』『19』。「周りの人や球団の人から『19は左というイメージもある』と言われて、決めました」と振り返る。ヤクルトでは梶間健一や山部太ら左の主戦級投手が背負ってきた伝統ある番号だ。「『19』=石川と思われるように頑張りたいという思いはありました」。ロッカーなどの番号は空きがあれば『19』を選ぶと言い、思い入れは強い。今季勝利を挙げれば、1年目から歴代単独最長の23年連続勝利を記録する。開幕先発ローテーション入りを果たし、金字塔を打ち立てる。
広島・松山竜平「#55」勝負強さは衰えることなく
シーズン中に取得した国内FA権を行使することなく残留を決めた2018年オフ、自らの意思で背番号を変更した。『55』に抱くあこがれ。「同じ左打者で松井秀喜(元巨人ほか)さんがずっと好きだった」。広島では心から尊敬する先輩の嶋重宣に、ともにプレーする中で仲の良かったエルドレッドも背負っていた。先人への思いは、パワーに変わる。「やるべきことは決まっている。とにかく打つ、結果を残してチームに貢献する」。年齢を重ねて出場機会も限られているが、昨季も代打打率.380(50打数19安打)とチーム屈指の勝負強さを誇る。今季もここ一番に『55』あり!