大会屈指の「二刀流」具志川商・新川、後悔と満足 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第7日の26日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2回戦が行われ、21世紀枠で初出場の具志川商(沖縄)は福岡大大濠に延長十一回の末、4―8で敗れた。「二刀流」の新川俊介投手(3年)は一回に左越えソロを放ったが、投げては十一回に決勝ソロを浴び、チームを8強に導けなかった。 【写真特集】激闘 福岡大大濠vs具志川商 7回を投げて自責点2でチームの甲子園初勝利に貢献した1回戦で、中指のマメが破れた。先発を回避したこの日は、3番・遊撃で先発し、打席で底知れぬ力を見せた。1点を追う一回、2死無走者から初球をフルスイング。打球は左翼席に吸い込まれ、試合を振り出しに戻した。 「初球から真っすぐがくるというデータがあった」。具志川商は車いすの山城来マネジャー(3年)が対戦相手の動画を見て分析しており、試合前に福岡大大濠の左腕・毛利対策を授けられていた。だからこそ、初球から強振できた。 1点ビハインドの三回からは2番手として登板。十回まで2失点と粘ったが、ボールが浮き始める。十一回。先頭打者の松尾に内角直球を振り抜かれ、左越え本塁打。「体力のなさ、集中力のなさを感じた」。これが決勝点となった。 沖縄の宜野座が成し遂げた21世紀枠最高成績の4強には、届かなかった。それでも「小さいときからの夢だった所に立てて、幸せだった」。マウンドで打席で躍動した大会屈指の二刀流は、悔しさと満ち足りた思いの両方を、沖縄に持ち帰る。【高橋秀明】 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。