実弾騒動のロッテ、ナバーロがデビュー戦でお立ち台 「謹慎が10年に」
キャンプ期間中に実弾所持で逮捕され(不起訴)球団から出場停止処分を受けていたロッテのヤマイコ・ナバーロ内野手(28)が23日、QVCマリンで行われたオリックス戦で「6番・セカンド」でスタメンデビュー、8回に、この時点で勝ち越しとなる2点タイムリー二塁打を放った。9回に守護神、西野が同点に追いつかれ、決勝打は消えたが、9回裏にチームはサヨナラ勝ちしてお立ち台に上がった。実弾を持っていた男は、勝負運まで持っていた?!
1万6000人を超えるファンの声援ボルテージが上がった。 1-1で迎えた8回一死二、三塁、マウンドにはオリックスの2番手の岸田。大声援を背に打席に入ったナバーロは、初球のチェンジアップを読んでいた。 「このチャンスに真ん中の真っ直ぐを投げてくるピッチャーはいない。まずはスライダーか変化球だろう」 真ん中から沈むボールをコンパクトに捉えると、打球は右中間を襲う。2人が生還、この時点では勝負を決めたかに見えたタイムリーツーベース。「打ったのはチェンジアップだろう。変化球が頭にあったのでしっかりと重心が残っていたんだ。本当にうれしい。幸せな気分だ。日本のプロ野球のデビュー戦は、何が何でも勝ちたかった。チームが勝てたことが一番」。ナバーロの表情が和らいだ。 その打席までは、先発の金子の前に空振りの三振、四球、見逃しの三振と、手玉に取られていた。 「金子はいいピッチャーだ。6、7種類の変化球の種類があるだろう。こちらの狙いを完璧に外してくる」 日本のピッチャーのレベルの高さを思い知らされたが、ここ一番の集中力と読みは、昨季、韓国野球で48本塁打を放っただけのことはある。 しかも、打つだけはなく、細かな技術を要求されるセカンドの守備でも魅せた。 2回一死一塁で小谷野の一、二塁間にとんだゴロを軽いステップでさばくと、二塁へ軽やかにスローして、併殺打にしてしまった。試合後、伊東監督が「守備でも助けてくれた」と褒めたファインプレー。 「試合に出れない間、たくさんのゴロをとった。守備も準備をしていたから」 ナバーロも守備に話が及ぶと、ご満悦の様子。ストッパーの西野が、その2点を守れず同点とされ、決勝打とはならなかったが、9回一死から岡田が三塁打で出塁、平野のワイルドピッチでサヨナラのホームを踏むと、歓喜の輪に加わった。