<高校野球>コールド負け、大敗校からも選出 V3かかった大阪桐蔭は補欠に センバツ選考委員会
25日に大阪市北区の毎日新聞大阪本社で開かれた第91回選抜高校野球大会の選考委員会で出場校32校が決まった。23年ぶりの米子東、22年ぶりの春日部共栄など7校が10年以上の空白を埋めた。出場回数では龍谷大平安が41回目で春夏通算75回目といずれも歴代最多回数を更新。東邦も30回目で、中京大中京に並び歴代2位となった。 【「若いっていいな 甲子園おめでとう」写真特集】 出場32校 喜びの表情を見る ◇委員がスコアよりも自らの「目」を重視 大胆な選考だった。関東・東京の6校目は、東京大会決勝で3―4で惜敗した東海大菅生ではなく、関東大会2回戦で春日部共栄に2―9で七回コールド負けした横浜を選出。九州の4校目も九州大会準決勝で明豊にコールド負け寸前で、4―10で大敗した日章学園が入った。 過去にはコールド負けは大きなマイナス材料となり、上位進出校が選出されないケースがあった。今回は選考委員がスコアよりも、自らの「目」を重視した。関東・東京の磯部史雄委員長は横浜のエース・及川を「152キロを投げ、三振の取れる投手。コールド負けの印象を上回る期待感が持てる」と強調。九州の松元泰委員長も日章学園について「攻撃力、守備力を含めた総合的な部分で評価した」と説明した。 センバツ3連覇、春夏春の3季連続優勝という史上初の快挙二つが懸かっていた大阪桐蔭は補欠に回った。近畿の前田正治委員長は「個々の能力は高いが、なかなかチームとしてできあがっていなかった」と評した。目立った選手はいないが、各打者がカーブを狙い打ちして龍谷大平安の先発投手を攻略した市和歌山のチーム力に光を当てた形だ。 選考基準には「試合成績ならびに実力などを勘案するが、勝敗のみにこだわらずその試合内容などを参考とする」との一文がある。1925(大正14)年の第2回大会から導入されている選考委員会制度。予選を持たないセンバツの特徴が出た、幅広い選考だった。【安田光高】