韓流禁止じゃないの? 中国各地で韓国人歌手0人・著作権無視のK-POPコンサート開催
問題は、中国人によるK-POP消費から得られる利益を韓国がまったく享受できていないという点だ。本来ならば、中国でK-POPの楽曲が流れるたびに、作詞家や作曲家などに著作権料が支払われなければならない。しかし、コンテンツの正式な輸入が遮断されているため、中国側は無断でK-POPを利用するばかりか、それに伴う収益まで手にしている。韓国国内のエンターテインメント会社もこのような問題を認識しているが、法的対応が容易ではなく、事実上手をこまねいている状況だという。 中国で活動している韓国のエンターテインメント関係者は「違法ではあるが、『まさか見つからないだろう』と考えて、著作権料を払わずにK-POPを流しているようだ」とした上で「最近開催されたK-POPダンス競演大会では、中国の主催側が韓国の大手エンターテインメント会社のロゴを無断で使用し、ブースまで設置して展示したため、著作権侵害だとして抗議を受けたと聞いている」と話した。また、別の文化界関係者は「中国側は単に公演を行うだけでなく、違法にダウンロードした韓国の映像コンテンツをステージの背景で流したり、グッズを制作して販売したりもしている」と指摘した。 ただし、これらの行為が違法だとしても、中国人によるK-POP消費を完全に遮断することには慎重であるべきだとの意見もある。現時点では限韓令が出されたままであるため韓国の芸能人が中国国内で公演を開催することは不可能だが、今後状況が正常化した場合に備え、K-POPに対する一定の需要を維持しておく必要があるという側面からだ。中国在住の文化界関係者は「違法だからといってK-POPの消費を全面的に遮断するのではなく、ある程度自由を許し、ファン層を維持する必要がある」とした上で「著作権収益という観点だけで問題にアプローチすることが必ずしも正解とは限らないだろう」と指摘した。 一方、文化界では来年以降に限韓令が徐々に緩和されるのではないかという期待が広がっている。先月、中国の孫業礼・文化観光部部長(大臣)が韓国の柳仁村(ユ・インチョン)文化体育観光部(省に相当)長官と会談し「コンテンツなどの分野で韓国の成功事例を学びたい」と述べたため、限韓令解除への期待感が広まった。その後は韓国の非常戒厳などの影響で議論が一時中断している状態だが、来年11月に慶州で開催されるアジア・太平洋経済協力(APEC)首脳会議を契機に習近平中国国家主席が来韓する際、韓国が最も望んでいる「限韓令解除」というプレゼントを持参するのではないかという見方もある。文化界関係者は「中国は自国の若者層に与える影響を最小限に抑える形で、大衆文化を段階的に開放していくとみられる」と話した。 北京=イ・ユンジョン特派員