「ゴミ屋敷で孤独死寸前のケースも」遺品整理業者が教える“おひとりさま女性”の悲惨な末路
末路ケース2 ゴミ屋敷で孤独死寸前だった80代女性
1度結婚・離婚を経験し、その後は独身を貫き定年まで会社に勤務した80代女性・Mさん。分譲マンションでひとり暮らしの生活を送り、貯金も十分あったため金銭的な不安はなかった。 ただ年齢による体力の低下から家にこもりがちに。必然的に人との交流機会は減っていった。そんな中で行政とのトラブルが絶えず、山村さんの会社の出番となったのだ。 「Mさんはほぼ歩けない状態でした。身体が不自由でモノを片づけられないため、室内はゴミ屋敷という感じでしたね。一方で電話を止めるなど、外部とのネットワークを自ら遮断。心を閉ざしており、行政の担当者と言い争いを繰り返していたのです」 山村さんの会社のスタッフの説得により、Mさんは施設への入所を了承。そのサポートがなかったら、ひとり寂しく死に至っていた可能性は高いという。 「孤独と孤立は違います。孤独は人によっては価値あるもので、ひとりの時間を大切に思う人も少なくないでしょう。しかし、孤立は他者と切り離された状態にあたり、避けなければなりません。Mさんは孤立に陥ってしまったわけです。孤立しないためには趣味や習い事などのコミュニティーを持っておくこと。誰かに救いを求めたいときに、コミュニティーの仲間が心の支えになってくれます」 年を重ねると、頭や身体の働きは衰えていく。やがて病院への入院を余儀なくされたり、介護施設や老人ホームに入居せざるを得なかったりする場面がやってくる。こうしたときに途方に暮れないために、必要な準備をしておくのは絶対だ。 「いつかこうしよう、ああしようと思っていたことが、突然できなくなります。元気じゃなくなったときの準備は、元気なうちにしかできないことを忘れないでください」 多くのおひとりさまと出会ってきた山村さんいわく、 「うまく壁を越えられる人は、『自分でできないことが増えても、自分で決める』という点が共通しています」 他人や成り行きに任せるのではなく、自ら選択をすることが、壁を乗り越えるためには重要になるという。 どういうことなのか。事例で紹介してもらおう。