ルーキーで開幕投手「エースのジョー」 引退2度経験した城之内邦雄
創立90周年を迎えた巨人。巨人での出場試合が多い野手、投手を中心に記録にも記憶にも残る歴代の「偉人」を紹介します。第36回は城之内邦雄。 * * * 「エースのジョー」は城之内邦雄に付けられたニックネームだ。 1940年2月3日、千葉県出身。佐原一高から日本麦酒に入り、社会人NO1の速球投手として61年オフに巨人に入団した。 62年、サイドスローから繰り出す速球とシュートを武器にオープン戦で4勝を挙げ、新人で開幕投手に抜てきされた。阪神戦で1―2と惜敗も、この年、24勝12敗、防御率2・21で新人王に輝いた。 翌63年に17勝。以降18―21―21と勝ち、入団から5年間で101勝を重ねた。この数字は、城之内以降現れていない。64年から4年連続でチームの勝ち頭となり、「エースのジョー」と呼ばれて、65年9月には4試合連続完封勝利も達成している。 66、67年の日本シリーズではともに2勝を挙げ、2年連続で最優秀投手賞を獲得。68年5月16日の大洋戦ではノーヒットノーランを達成し、この年まで7年連続2ケタ勝利を挙げた。 腰痛に苦しみ、現役生活10年で71年に引退をするが、74年、ロッテで現役に復帰。同年7月に引退した。84年から2003年まで20年間にわたり巨人スカウトを務め、多くの選手の発掘に尽力した。
報知新聞社