彼女と同棲を始めたら、「お風呂のお湯は入るごとに替えたい」と言われた!「水道代」がもったいないと思うけど、どれくらいかかる? 1ヶ月のガス・水道代を試算
同棲生活が始まると、生活習慣の違いが目立つ場面が増えます。特にお風呂のお湯を人ごとで毎回新しくするかどうかは、意見が分かれるポイントです。 ▼「シャワーだけ」vs「お湯をためる」1人暮らしはどっちがお得? それぞれの水道代・ガス代を比較 しかし、入るごとに替えたいといわれた場合「水道代がもったいないのでは……?」と思う人もいるのではないでしょうか。 そこで本記事では、お風呂のお湯を替えないことで衛生面に問題はあるのか、湯船にお湯を貯めた際にかかるガス・水道代、毎回お湯を替えた場合にかかるガス・水道代を解説します。
定期的に掃除していれば、1~2日同じお湯でも衛生面に問題はない
結論として、お風呂のお湯は1~2日同じであっても衛生面で大きな問題はないとされています。 カビや細菌などの微生物に関する研究を行っている株式会社衛生微生物研究センターでは、同社サイトに「残り湯の細菌は主に人の身体(皮膚など)に由来するものであり、通常は病気の心配はありません」と記載しています。 ただし、衛生面で全く問題がないわけではありません。残り湯を使用する際は、可能な限りその日中に利用するのが望ましいといわれています。1日以内に限定される理由の一つとして挙げられるのが、レジオネラ菌の存在です。 レジオネラ菌は約20~45℃の水またはお湯で増殖しやすく、特に高齢者や病人のように、抵抗力が下がっている人は感染する可能性が高いとされています。 定期的に浴槽を掃除していればレジオネラ菌の増殖を抑えられるといわれていますが、入浴直後の残り湯と一晩放置した後の残り湯を比較すると、レジオネラ菌の量が大幅に増加することが確認されています。 入浴人数2名の入浴直後の残り湯と、一晩放置した後の残り湯のレジオネラ菌の量は、図表1の通りです。
<図表1> 株式会社衛生微生物研究センター お風呂の残り湯は使ってもよい?より筆者作成 データは一例ですが、たった一晩で6000倍以上に増殖すると考えると、やはり1日ごとでお湯を替えたほうが良いと考えられます。
湯船にお湯を貯めた場合にかかるガス・水道代はいくら?
実際に湯船にお湯を貯めた場合、ガス・水道代はいくらになるのでしょうか。以下で、お湯を替えなかった場合の料金と、入るごとにお湯を替えたときの料金を見てみましょう。 ■お湯を替えなかった場合のガス・水道代 200リットルの水の温度を15度から42度まで上げるには、5400キロカロリーのエネルギーが必要とされています。都市ガスの1立方メートルのカロリーは1万755キロカロリーとすると、「5400÷1万755=0.502」となるため、全部で0.502立方メートルが必要です。 2024年11月時点の東京ガスの1立方メートル当たりの基準単位料金は、145.3円です。そのため、湯船にお湯を1回貯めるのにかかるガス代の計算式は以下の通りになります。 ・単位料金は、145.3円×0.502=約72.94円 ・日割りのガス基本料金は、759÷30=約22.3円 ・湯船にお湯を1回貯めるのにかかるガス代は、72.9円+25.3円=98.2円 このように、ガス代は98.2円となります。 水道代は、東京ガスの1リットルあたりの水道代単価が0.24円として計算すると、湯船1回につき約200リットルの水を使用するため「0.24×200=48円」となります。 湯船にお湯を1回溜めたときのガス代と水道代の合計は、98.2円+48円=146.2円となります。1ヶ月(30日)に換算すると4386円です。 ■入るごとでお湯を替えた場合の料金(2人暮らし) 入るごとでお湯を替えた場合は、先ほど計算した湯船にお湯を貯めたときのガス代と水道代が2倍となり、1ヶ月で8772円です。特に2人以上で暮らしている場合は、パートナーと水道光熱費がどれくらいかかっているかを確認した上で、お湯を替えるか替えないか話し合いましょう。 ガス・水道代を抑えたいのであれば、お湯を替えないほうが良いと考えられます。衛生面でも1日以内なら問題がないとされているため、節約対策としても良い選択でしょう。
2人暮らしで毎回お風呂のお湯を替えると追加コストがかかる
毎回お風呂のお湯を替える場合、2人暮らしでは1回の入浴で300円近くガス代と水道代がかかります。これを30日間続けると、月の水道光熱費は約9000円にもなります。 節約を重視する場合は、残り湯を再利用してコストを抑えつつ定期的な掃除で浴槽内を清潔に保つと良いでしょう。 出典 株式会社衛生微生物研究センター お風呂の残り湯は使ってもよい? 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部