【フィギュア】坂本花織、世界選手権V4は「重きを置きたくない」ミラノ五輪への“通過点”強調
フィギュアスケート女子の坂本花織(24=シスメックス)が内容重視の姿勢を貫き、66年ぶりの4連覇がかかる来年3月の世界選手権(24~30日、米ボストン)へ挑む。4連覇を飾った全日本選手権から一夜明けた23日、大阪・東和薬品ラクタブドームで「メダリスト・オン・アイス」前の会見に出席。26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪の国・地域別出場枠がかかる来春の世界舞台へ、強豪ロシア勢へも意識を向けながら鍛錬を積んでいく。 ◇ ◇ ◇ 坂本はブレない。今季は「内容重視」を強調してきた中、4連覇がかかる世界選手権へも同じ姿勢を示した。 「優勝を目指していくけれど、4連覇への意識は少なくて、今季と来季で1つと考えている」 最大の照準は、2大会連続のメダル獲得を目指す来季のミラノ五輪。66年ぶりの偉業も狙いつつ「あくまで通過点。そこに重きを置きたくない」と言い切った。 3度目の五輪を見据える中、20日にはロシア勢の条件付きでの五輪予選参加が容認された。かねて「ロシアが帰ってきても勝てるように」と意識を向けてきた世界女王。この日も自ら「ロシアが帰ってくるというニュースも見た。それに向けて、自分が今できることを精いっぱいやる」と切り出す場面があった。 4回転ジャンプやトリプルアクセル(3回転半)といった大技こそないが、ジャンプやスピンなどで高い加点を得て勝負するスタイル。全日本のフリーでは後半の連続3回転ジャンプで2本目が2回転となるミスもあり、ステップシークエンスの判定も4段階で上から2番目の「レベル3」となった。演技直後は悔しさから左拳を握りしめ、「守りに入ってしまった」と反省。それだけに「少しでも自分自身を底上げする」と気の緩みはない。 優勝を絶対視はしないが、五輪の枠取りへは強い責任感をのぞかせる。来春の世界選手権で各3人が出場する男女シングルは、上位2人の順位が合計13位以内となれば、五輪の出場枠を最大「3」確保できる。「日本はこれだけ強いぞ、というのを見せられたら」。ブレずに突き進み、ミラノ五輪へつながる日々を歩んでいく。【藤塚大輔】