7年ぶりの復帰。なぜ岩波拓也は浦和から地元・神戸へのカムバックを決めたのか
背番号は55を選択
実に7年ぶりの復帰だ。 アカデミーで育ち、2012~2017年にはCBとして神戸を支えてきた29歳の岩波拓也が、地元クラブへの帰還を果たした。 【PHOTO】井手口、岩波、宮代らを積極補強!リーグ連覇狙うヴィッセル神戸が新体制&新ユニ発表会見を実施! 2018年に移籍した浦和ではACL制覇など様々な経験を積み、最終ラインの一員としてチームを下支え。全身全霊で戦ってきた。 ただ一方で、浦和の勝利のために全力を尽くした後、やはり神戸の結果も気にかけてきたという。様々な想いを抱えていたようだ。 「プレーできるうちに、もう一度神戸でという想いは自分のどこかにはあり、それがこういうタイミングで話をいただいて、ラストチャンスなのではないかと捉えていました。 まだまだピッチで見せられる部分があると思いますし、神戸は昨年優勝して、もちろん選手たちも自信を持ってやっているなと感じることも多いですし、自分が所属していた当時の神戸とは大きく違って、練習の強度というのは驚かされている部分があります。 ただそれがスタンダードだと思いますし、CBも良い選手が多く、争いは激しくなると感じますし、そのなかで存在感を示していきたいです。 自分が戻ってくることを喜んでくれる人たちも、もちろんいますし、その人たちのためにも、地元・神戸で頑張りたいです。もう一度、ノエスタのピッチで自分が戦っている姿を応援してくれる人たちに見せたいです」 悩んだ末の選択だったのだろう。「ただ単にヴィッセルに戻ってプレーする軽い気持ちではなく、もう一度新しいチームに来たというくらいの気持ちで、皆さんに認めてもらえるようにやらなくちゃいけないと覚悟を決めて選びました」とも続ける。 背番号はかつて付けた5番は、山口蛍の96番への変更によって空いていたが「今回のタイミングでは考えていなかった」と振り返り、迷っているうちに「新加入選手がどんどん僕が付けようかなと思っていた番号を奪っていった」と周囲を笑わせつつ、55番を選択。 「もう一回活躍して、また5番に戻れるようにという想いもありますし、いろんな人から言われるのは、僕は神戸で5番、19番、31番を付けてきましたが、それを足すと55番になると教えてもらったので、今はそれを理由にしています」と話す。 新たなナンバーを背に再び慣れ親しんだ土地で輝けるか。彼の挑戦は実に興味深い。 取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)