糖質制限ダイエットで失敗しないコツとは ゴハンは完全に断つべき?
ダイエットの主流のひとつとも言える糖質制限。しかし日本人にとってゴハンを我慢することは簡単ではありません。その時、どんな方法を選ぶべきでしょうか。パーソナルトレーナーで管理栄養士でもある山田賢児さんに教えてもらいました。 【動画】“筋育栄養士”が教えるタンパク質摂取パーフェクトガイド 食事を重視したダイエットは、一般的に「糖質制限」と「脂質制限」と大きく2つに分けられます。 それぞれにメリット・デメリットがあるので、どちらがいいと一概には言えません。ただ、私はパーソナルトレーナーと管理栄養士の資格を持っていますが、その立場の違いによってオススメする方向性が若干変わってきます。
管理栄養士は健康のためのトータルの栄養バランスを考え、ダイエットを指導する際にはカロリーを中心にメニューを組み立てることを基本戦略とします。ですから1日の総摂取カロリーを減らしながら、脂質と炭水化物を少しずつ減らすようにします。その中でもカロリーの高い脂質は余計に減らすことが効率的で、より健康的であると考えます。 一方、自分自身やクライアントの体の変化を見続けてきたトレーナーの経験からすると、糖質制限のほうが即効性はあり、簡単であるという印象です。 ホルモンの代謝から考えても、糖質のない時間帯に成長ホルモンの分泌が盛んになり、その時には脂質が体内で遊離脂肪酸になって使われるので、ダイエット効果は高くなるのです。とくに夜はエネルギーの消費が少ないので、夕食で炭水化物を抜くのは非常に理にかなっていると思います。 ということで、トレーナーとしては炭水化物の量を減らす、あるいは摂取タイミングを絞ることを勧める機会が多くなります。ただ、糖質制限が長く続くとリバウンドのリスクも高くなるので、そこは注意が必要です。 では、糖質制限を上手に行なうためのコツをお伝えしましょう。
糖質制限は簡単と先述しましたが、実際には炭水化物を抑えることが非常に難しいタイプの人もいます。ライフスタイル的に糖質への依存度が高い人ほど、これは高いハードルになります。このようなタイプが糖質制限ダイエットを行なう場合、まず初めに、一定期間は砂糖や砂糖を含む製品のみを断ってしまったほうがいいと思います。砂糖を避けるだけで、多くのお菓子やドリンクを手放すことになり、糖質の摂取量は減ります タバコやお酒などの依存症と比べるのは不適切かもしれませんが、依存をなくすためにはその対象を断つのが最も手っ取り早いのです。1~2か月といった期間を決め、つらくても我慢するようにします。半ば強制的に遠ざけることで食習慣が変わり、期間終了後も砂糖を含む食品以外で満足を得られるようになっていく可能性があります。 砂糖を含む製品を制限した次に、ゴハンを制限します。ただしここでも、少しだけゴハンを減らすよりも、いっそのこと摂取しないという手があります。いつでも食べられる状況だとストレスが溜まった時にドカ食いしてしまい、あっという間にリバウンドしてしまうこともあり得ます。これが最も残念な結果を招きます。ですから厳しい方法ではありますが、「ゴハンを食べないと平常心を保てない、不安になってしまう」という人ほど、糖質制限ダイエットで結果を求めるならば1~2か月ゴハンを断つべきなのです。1~2月後からは、状況に合わせてゴハンも食べるようにしましょう。日本人はゴハンが大好きな人も多いですから、どうしても難しいという場合は脂質制限を選んだほうがいいかもしれません。 とはいえ、糖質制限はあくまでダイエットのための手段で健康的には好ましいとは言い切れないので、炭水化物の依存度が低い人は、毎食は抜かないほうがいいと思います。それによって栄養バランスが保たれ、健康的に痩せていきやすいからです。
【監修:山田賢児】 千葉県出身。陸上選手として活躍し、東京農業大学在学時に箱根駅伝に2回出場。3つのジムでのトレーナー活動やボディコンテスト出場を経て、2021年に Y personal training gym をオープン。経験を活かした有酸素運動、筋力トレーニング、ボディメイク、栄養指導を行なう。所有資格はフードスペシャリスト、加圧インストラクター、日本ストレッチング協会STP、管理栄養士、日本ボディートレーナー協会整体師、加圧サイクルインストラクター。
構成/森本雄大