上白石萌歌×森田想×加藤拓也監督『滅相も無い』インタビュー 演劇と映像が交差する意欲作の舞台裏を語る
◆この作品だからこその面白さや醍醐味、やっていての手応えを教えてください。 上白石:加藤さん節が全開なところはいちファンとしてすごくうれしかったです。私も舞台、映像のどちらもやっているので、どっちも好きだし、怖いし、楽しいので、その両方のエッセンスを現場で感じられて、完成した作品を見ても感じられたので、早く目撃してほしいなという気持ちになりました。 森田:演じる側にとっては、どの瞬間も楽しかったのではないかなと思っています。なかなかここまでうれしい条件がそろうことがないので、ちょっと張り切りがちな空気ではあったんですけど(笑)。それこそ情報解禁のときの加藤さんのコメントで映画的、演劇的の定義の融合みたいなことを言われていましたが、それは自分の中でも撮影時に思っていながらも、決めつけることはなく、いい意味で現場だったり、スタッフさんや監督、スタジオキャストのみんなとの空気に流されながら作った感じが、スタジオという狭い空間でしか起きえなかったのかなと思うので、そこが面白い部分でしたし、しっかり映像として映っているんじゃないかなと思っています。 ◆タイトルに込められた思いや、登場人物の順番について、何か意図があるのでしょうか? 加藤:ネタバレまでではないですが、モチーフの解説になってしまうので…。俳優たちには、もちろん台本の最初の方にディレクターズノートじゃないですけど、なんでこうなっているのかという話をするための解説を実はつけています。ぜひ皆さんにはタイトルや出演者の順番については最後まで見ていただいて、楽しんでいただけたらいいなと思っています。 ◆視聴者の方に向けてメッセージを。 森田:年齢層だったり、性別も同じ比率じゃなかったりして、さまざまな話が展開されていくドラマです。こんなに30分の中で、私は1時間半ぐらいの作品を見たかのような気持ちになりました。すごく濃密ですし、必ずしも強く受け取ってほしいと圧をかけるわけではないですが、手放しで見たとしても、何か引っかかる部分が起きるような、本当に面白いドラマだと思うので、楽しみに見ていただけたらと思います。 上白石:このドラマは1人1話ごと、それぞれ8つの苦しみとかささいな悩みから、いろんな大きさ、いろんな形のそれぞれの葛藤が描かれるいわゆるオムニバスドラマで、きっとご覧になる方は「自分はこの人だな」と重なる瞬間があると思うので、見ている方も主人公になれるようなドラマだと感じています。私は深夜にテレビをつけて、そのままドラマに見入ってしまうことがよくあるので、深い時間にこの作品を見られるというのはすごくぜいたくだなと。ぜひ春の夜長ならぬ、春の長い夜のおともにしていただけたらうれしいです。 加藤:8人のすごく個人的なお話です。その個人的なお話を楽しんでもらえたらなと思っています。 <プロフィール> 上白石萌歌 ●かみしらいし・もか…2000年2月28日生まれ。鹿児島県出身。 森田想 ●もりた・こころ…2000年2月11日生まれ。東京都出身。 加藤拓也 ●かとう・たくや…1993年12月26日生まれ。大阪府出身。
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