ランエボじゃなくても「ノンエボ」ランサーGSRは速かった!? 1.8Lの4G93ターボは意外な実力派だったゾ!
ランサーと聞くとどうしてもランエボの印象が強いのだが、エボじゃないふつうのランサーに設定されていたGSRもかなり強力な1.8Lターボエンジンを積んでいたことを覚えているだろうか? 【画像ギャラリー】ノンエボGSRいいやん!「エボリューション」だけじゃない三菱の実力派スポーツカーを一気見!(12枚) 文/ベストカーWeb編集部、写真/三菱自動車
■1.8Lターボと侮るなかれ!
1991年にランサーは4代目モデルに切り替わったのだが、どうしてもクルマ好きにとって強烈なのは翌1992年に初めて登場した初代ランサーエボリューションだろう。2L直4ターボの4G63は間違いなく名機だったが、4代目ノーマルランサーに設定されたのが1.8L直4ターボの4G93を搭載したGSRとその競技仕様となるRSだ。 そのスペックは最高出力195ps/最大トルク27.5kgmを発揮する強力なもので、兄弟車の4代目ミラージュセダンには設定されないエンジンだった。その外装も差別化されていたのが特徴的だ。 1995年に5代目ミラージュ/ランサーにフルモデルチェンジしたのだが、4G93ターボを搭載したトップグレードのGSRは継続された。 そのスペックは先代モデルよりもアップしており、最高出力205ps/最大トルク28.0kgmとなり、格上であるS13シルビアK´sの積む2LのSR20ターボとまったく同じ数値となっていた。 また、4代目ミラージュには4G93ターボ搭載車がなかったのだが、5代目ミラージュにはVR-Xというグレードに採用された。ただし、5代目ミラージュは外観上のランサーとの差がほぼなくなり、フロントグリルやトランクが多少違うという程度になった。
■リベロGTでは最終的に最高出力215ps、最大トルク29.0kgmにまで向上!
また、4G93ターボは1992年5月に設定された4代目ランサーベースのステーションワゴン、リベロにも1994年1月にGTグレードに設定された。 当初のスペックは最高出力205ps/最大トルク28.0kgmと5代目ミラージュVRX&ランサーGSRと同じだったのだが、1995年9月のマイチェンで最高出力が215ps、最大トルクが29.0kgmにまでパワーアップしている。 さらに、リベロGTのフロントバンパーとフロントグリル、インタークーラーがランエボIとほぼ同じものが採用されたのも隠れたトピックだ。 ランエボの4G63ターボに比べると、地味な次男坊的存在となる4G93ターボだったが、4G63ターボ同様に低回転から強力なトルクが立ち上がるタイプのエンジンで、ランエボよりも軽量なボディをグイグイ引っ張っていく三菱らしいパワートレーンだった。 2番手的なグレードのパワーユニットにもここまでこだわり、決して手を抜かない当時の三菱のよさが思い出される。