竜王山のサンショウウオを守ろう、愛護会が発足【山陽小野田】
繁殖環境を整備
竜王山に生息するサンショウウオの保護に努めようと、「竜王山止水性サンショウウオ愛護会」の発足式が4日、赤崎地域交流センターで開かれた。会員15人が出席し、委員長に選任された山口東京理科大薬学部の嶋本顕教授は「竜王山の大事な宝として保護し、増やしていこう。子どもたちの教育にも活用したい」と抱負を述べた。 10年ほど前から「サンショウウオがいる」とうわさになっており、5月には美祢市の男性がもみじ谷の水場で体長3㌢前後の幼体8匹を確認。本山地区自治会協議会の山田義孝会長や元きらら交流館館長の松永信治さんも幼体を発見し写真に収めた。 サンショウウオ類は環境省レッドリストで絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。生息には良好な自然環境が必要で、竜王山が豊かな自然に恵まれている証明でもある。 こうした希少種を保護し増やしていこうと愛護会を発足。当初はカスミサンショウウオではないかとみられていたが、専門家から「止水性のヤマグチサンショウウオの可能性が高い」という指摘もあり、会の名前を決めた。今後、専門家によるDNA鑑定を通して種類を確定する。 発足式では、産卵のための水場の整備など保全と増殖の2本立てで活動していくことを申し合わせた。観察などを通して子どもたちにも豊かな自然環境を再認識してもらう。来春には専門家を招いての現地調査を行う予定。 サンショウウオ類は種の保存法により採集が禁じられており、観察するのは良いが採取したり持ち帰ったりできない。 役員は次の通り。(敬称略) ▽委員長=嶋本顕(山口東京理科大薬学部教授)▽副委員長=大本軍(竜王山公園協賛会会長)高橋雅彦(市都市計画課長)▽幹事=大井直博(赤崎地区運営協議会会長)山田義隆(本山地区運営協議会会長)▽参与=大井淳一朗(市議)中岡英二(同)田原義寛(県希少野生動植物保護対策検討委員会・調査検討専門部会員)