『学マス』N.I.A編先行レビュー。ゲームの流れやシステムを徹底解説。パラメータも伸ばしやすく、カードカスタマイズはロマンの塊【コミュのネタバレなし】
N.I.A編。新要素のカードカスタマイズが楽しすぎる。 後述しますがメモリーにも入ります。笑いが止まらない。 【記事の画像(51枚)を見る】 『学園アイドルマスター』(以下、『学マス』)の新プロデュース/シナリオ(STEP2)である“N.I.A編”。新しいプロデュースシナリオということもあり、どれぐらい強いアイドルを育成できるのかが気になる方も多いのではないだろうか。 本記事では「コミュ(シナリオ)のネタバレを見たくないけど、どういうシステムになっているのか詳しく知りたい!」という声(があるだろうと仮定して)にお応えして、完全にゲームシステムの解説、紹介に特化した記事となる。コミュについては、べつの記事にてまとめているので、気になる方はそちらもチェックしてほしい。 ※本記事で試遊したテストビルドの仕様、ならびにスクリーンショットはすべて開発中のものです。実装時は仕様変更の可能性があります。 ※わかりやすさを優先するため、文中のアビリティはN.I.A編実装前の表記にしています(例、パラメータボーナス→レッスンボーナス)。 N.I.A編のスケジュールは1通り。追い込みレッスンと試験はオーディションに統合。営業は授業と同じだが、特別指導は相談と違う判定に N.I.A編は、“営業でファン投票数を稼いでオーディションに出場し、1位を取り続ける”というのが主な流れとなる。自主レッスンでパラメータを上げ、特別指導でより強くなったスキルカードを作り、それぞれのオーディションで1位を取るためにアイドルたちを育て上げていく。 ……まぁこれだけだと名前を挙げているのが新要素ばかりで「けっきょく何をやるの?」という感じなのだが。まずはざっくりスケジュールを見つつ、大きな変更点を紹介。N.I.A編における“ことね”の場合はこのような感じ。 ことねの場合は1通りで、“初”マスターのようなランダムでの抽選はなかった。 ゲームの基本的な流れは“初”と変わらず、1週ごとに行動を選択していく形。消費APもプロ、マスターと同じ20のままだ。サポート、メモリーの編成は“初”とはべつに用意されているので、それぞれ個別に設定可能。 周回にかかる時間は、慣れてくればだいたい20分程度。これは再挑戦をしなかった場合の時間なので、いいスコアを狙うならもう少しかかるかもしれない。 パラメータ上限は2000。油断するとふつうにオーバーしてしまう。それぐらいにはパラメータを上げやすい。 変わった部分としては、まず“授業”が“営業”に、“活動支給”が“差し入れ”に、“レッスン”が“自主レッスン”にそれぞれ置き換わっている。それに合わせて、既存のサポートカードのアビリティなども更新。たとえば“授業後にパラメータ上昇”と書かれたアビリティやPアイテムなどは、すべて“授業・営業後にパラメータ上昇”というテキストに変更された。 なお、レッスンについては、大きくシステムが変わっているが、詳細は後程解説する。 休憩は回数が4回までに制限された。マスターのように開幕の削除もできないので、従来のお休み編成や圧縮編成などは恐らく厳しい。そのほか、ドリンクやカードの性能などは現状のまま。 お出かけは、大きな変化はないものの“系統を選びつつチェンジ”などの選択肢が追加されより強力に。 差し入れはファン投票集に応じて追加のPポイントが手に入る活動報告。相談はとくに変わった様子は見受けられなかった。 新たに追加されたのは“特別指導”と“オーディション”。特別指導は、Pポイントを消費することですでに強化された(+のついた)カードをさらに強化することができる。 強化内容や強化できる回数はカードによって異なり、シンプルに数値を上げるもののほか、いままで無かった効果を後付けするようなものなどもある。たとえば“ファンシーチャーム”の場合、“本番前夜”のような“レッスン開始時手札に入る”の効果を付与できる。 つまり開幕に絶対ファンシーチャームが打てるようになる。なにそれ怖い。 特別指導はPポイントを消費し、カードも強化できるということで、相談の強化版のように感じるのだが、残念ながら相談関係のアビリティやPアイテムの効果は適応されない。“相談時にパラメータ上昇”系も発動しなければ、あさり先生のお弁当(“食欲の秋なんです”で手に入る“ごちそうさまでした”)の割引効果の発動も確認できず。 授業に関係するアビリティの表記は変わっているが、相談関係は変わっていない。このことからも完全な別物として扱われているようだ。 “オーディション”は、追い込みレッスンと中間試験または最終試験が統合されたようなもの。オーディションで獲得したスコアに応じて、パラメータを伸ばせる。さらにレッスンボーナスも適応される。 1位を取らなければ不合格となり、プロデュースは終了してしまうが……試験のように再挑戦が可能。つまりは追い込みレッスンで再挑戦が可能と考えることもできる。いわゆる“中間前の悲劇”みたいなことが起こりにくくなった。パラメータが関係するため、いままでの中間試験のように惰性で流すことなく緊張感を持ってプレイできるのもいい点だ。 N.I.A編のシステムに慣れなさもあり、筆者のプロデュース1回目は1次オーディションでしっかり落ちた。 オーディションには3つ(※最終のみ4つ)の種類があり、より上位のオーディションに挑戦するには一定の“ファン投票数”が必要となる。これは主に営業で増すことができ、ファン投票数の多さがオーディションにおけるスコアボーナスにも関係してくる。 ファン投票数ボーナスはかなり大きいので重要。再挑戦時には、ほかのオーディションを選ぶこともできるため、再挑戦前提でとりあえず難しいオーディションを選ぶのもアリ。ただし、初回挑戦時より上位の難易度のオーディションは選択できないので注意。 こちらが各オーディションの必要ファン投票数の一覧。FINALEの必要数は意識していないと届かないことも。 メモリーで持ち込んだ“中間試験後入手”系のスキルカードは、1次オーディション後に手に入る。 1次オーディション後、2次オーディション後それぞれでPアイテムが手に入る。1次オーディション後に手に入るPアイテム(画像左)はN.I.A編から新登場したもの。 そんなオーディションに大事なファン投票数。それを増やすのが“営業”だ。 営業は超強化された授業。特定のカードを獲得しやすく、トラブルもない それではそんな、営業についてもう少し詳しく。主には最初に書いたとおり“初”における授業が変化したもので、パラメータとファン投票数、スキルカードなどが獲得できる。もちろん授業と同じく、獲得できるパラメータはレッスンボーナスに関係がない完全な固定値となる。 もちろんしっかりコミュも用意されている。めちゃくちゃ種類があってビビる。 営業は以下の4種類。上昇するパラメータ量は固定だが、それぞれに追加効果や体力消費が設定されている。 ドリンクを獲得できる“企業イベント会場”体力を消費するがPポイントを獲得できる“自治体イベント会場”体力を消費するが強化された(+のついた)状態のスキルカードが手に入る“商業施設”ファン投票数は少ないが体力を回復できる“リゾート施設” これらから毎回ランダムで3種類が抽選される。つまり「体力回復したかったけどリゾート施設がない!」みたいな事態が発生することもある。 絶対に3種類は提示されるので、体力がないからどれも選べないということはない。 ファン投票数がより増加する“大成功”判定もあり、これらの確率は営業選択時点でのパラメータ量にて判定されるようだ。要するに、パラメータが高いほど大成功しやすいということ。いいアイドルにはファンがいっぱいつくのは道理である。 テキストも大成功っぽいものに変わる。センブリソーダがすごい勢いで売れるってなんだよ。 営業のパラメータ上昇量は、オーディションを突破するごとに増えていく。合計値も初マスターまでの授業より多くなっており、上がりにくいパラメータをより伸ばしやすくなった。営業がN.I.A編の育成において、とても重要な行動なのは間違いないだろう。 しかもトラブルを入手する選択肢がないうえ、カードの系統もある程度選択可能。完全に授業の上位互換である。 さらに、営業の回数は1プロデュースになんと7回もある。先にも書いたが、N.I.A編では“授業=営業”となるため、授業関係で発動するアビリティは発動機会が純粋に増える。“ぜったい追いついてやる!”や“二人ならあっという間だね”などのカードはかなり評価が上がってくるのではないだろうか。 Pアイテム“とうちょーのきろく”も営業で発動。体力回復もあるのでN.I.A編ではぜひとも持ち込みたいところ。 自主レッスンにもレスボ、SP発生率は関係あり。全体を通した体力管理はよりシビアに とはいえ、もちろん“初”と変わらず、パラメータを上げやすいのはレッスンのほう。N.I.A編ではレッスンが“自主レッスン”へと置き換わっており、プロデューサー(プレイヤー)みずからがカードを選択することなくパラメータが上がるように。 具体的に言うと、パラメータ上昇量の基礎値と体力消費量が固定になった。もちろんレッスンボーナスは適応されるので、伸ばしたい数値は完全固定値の営業よりも自主レッスンのほうが伸ばしやすい。たとえば+100される自主レッスンを行った際、37%のレッスンボーナスがあれば、最終的な数値は137となる。 あと、当然ながらレッスンの演出が“初”とまったく違う。ことね、かわいいね……。 体力消費量が完全な固定値である関係上、体力がなければレッスンを受けることはできない。「最初のターンで表現の基本があればいける!」というような、低体力レッスンチャレンジは不可能となっている。 その影響もあり、全体を通した体力管理がよりシビアになった印象を受ける。「好印象だから道中のレッスンは楽で~~」みたいなこともなければ、レッスン中にリカバリドリンクを飲むといった、急場しのぎの体力回復も見込めない。 しかしその分、体力消費量が固定だからこそ先のプランまで見据えたリソース管理が非常にやりやすくなった。たとえば「あとレッスンが2回あって、あそこに営業では体力5使いたいから……8+8+5で体力21は確保したいな」というような、より育成系のシミュレーションらしい楽しみかたができるように。同じゲームながら、いままでとはまた違った部分の脳を使う感覚で、筆者としては好印象だった。 体力の管理を楽にできる、SPレッスン終了時の回復アビリティもかなり有用。それらも織り込みつつ、「えーっと……」とスケジュールを見ながら先の展開を考えるのがおもしろい。 オーディションは追い込みレッスン+試験。得意なパラメータがより伸ばしやすく、再挑戦が可能に レッスンといえば忘れてはいけないのが、大量のパラメータを獲得できる“追い込みレッスン”。N.I.A編では試験と合体し、“オーディション”がその役目を果たしている。形式もコンテストや各種試験と同じ、12ターン(及び8ターン)を戦い抜くフォーマットだ。 獲得できるパラメータは、オーディション中に獲得したスコアによって決まる。ダンスターンでスコアを稼げばダンスが、ビジュアルターンでスコアを稼げばビジュアルが伸びる、といった具合だ。レッスンボーナスも加算されるため、追い込みレッスン以上に得意なパラメータを特化して伸ばすことに向いている印象を受けた。 スコアに対応したパラメータがもらえる“オーディションボーナス”。そこにカードなどで伸ばしたレッスンボーナス分、“パラメータボーナス”がもらえる。 「それだともうレッスンボーナスではない」って? じつはその通り。実際N.I.A実装後のバージョンでは名称がレッスンボーナスからパラメータボーナスに変更されている。ただ、本稿ではわかりやすさ重視でレッスンボーナスと呼称する。 オーディションごとに挑戦に必要なファン獲得数が設定されており、上位のオーディションのほうが挑戦までの敷居が高いぶんよりスコアが伸ばしやすい。 さらにファン投票数はスコアボーナス自体にも影響がある。単純にファン投票数が多い→スコアが伸ばしやすい→パラメータが伸ばしやすいと考えてほしい。 オーディションで高いスコアを出せば、パラメータだけではなくファン投票数も大きく伸びる。高いランクのオーディションに挑戦するため、そしてスコアを伸ばすためにも道中のオーディションも一切気が抜けない。 オーディションは1回のプロデュースで最大3回。スキルカードを使ってプロデュースを行うパートはここにしかないものの、どのオーディションも必ず全力で挑まなければいけないので緊張感は高い。回数は少なくなったものの、そのぶんギュッと密度は高まっているように感じられた。 大舞台でも、小さな部屋でも、どんなときでもオーディションは全力で! とても“アイドル”を感じる。 カードのカスタマイズで生まれる無限の可能性。特別指導がおもしろすぎる。 ここまでざっくりパラメータ関係のことを書いてきたが、最後に新要素である“特別指導”について詳しく紹介しよう。 こちらはすでに強化済み(+のついた)のカードを、Pポイントを使うことでさらにカスタマイズできる要素。1回の特別指導につきひとつのカードがカスタマイズできる。 ちなみにカスタマイズの内容は多岐に渡る。いや、“多岐に渡る”なんて言葉で済ませないぐらいには本当に多い。遊び放題である。 特別指導は各プロデュース中に4回実施できる。赤メガネのあさり先生、いいですね……。 プロデュースアイドルやサポートカードによる固有スキルカード、基本スキルカードはカスタマイズできない。 なんせ、カードによってまったく効果が違う。持っている効果(好印象、やる気、好調など)の数値を上げるものから、無から新たな効果を追加するようなものまである。 このあたりは例を見てもらったほうがいいだろうか。たとえばこのふたつ。 シンプルに好印象の反映率が強化される“200%スマイル”。「実質170%スマイル」と言われていた彼はもういない。 個人的にヤバいと思ったのがこれ。ただでさえ強い“輝くキミへ”がスキルカードを使えば好印象も上がるようになった。いいんですかこれ!? 同じカードに対して複数回のカスタマイズも可能。カードによってカスタマイズできる上限は異なり、基本的にレアリティが低いもの、基本的な性能が低い(おもにPレベルが低いときに入手できる)カードのほうが上限は高い。 筆者の確認できた限りではR(青色)のカードは基本3回、SR(金色)のカードが2回、SSR(虹色)のカードが1回という感じ。SRにも1回しか強化できないカードは複数あったため、そのあたりは本当にカードによるとしか言えない。 こちらはセンスのカード“立ち位置チェック”。なんとパラメータを上げる回数まで追加できる。実質打点2倍とかそういうレベルじゃないけどいいんですか。 Pポイントの消費具合や強化内容に関しても、カードによって違いすぎるのでここではちょっと明言を避けたい。基本マックスまでカスタマイズしても200ポイントを超えることはなかったので、N.I.Aをプレイする際はそのあたりを基準にPポイントを稼ぐのがいいのではないだろうか。 それと、SSRのカードであれば強化上限が低い関係で100ポイントぐらいあれば強化しきれた。Pポイントが少ないときはSSRの強化済みカードがあるかどうか気にするのがいいのかも。 こちらにPポイントを割きたいこともあって、相談の需要は相対的に減っているように思える(というか筆者はほぼ選択しなかった)。お出かけは選択肢が強化されたこと、プロデュース全体として体力管理が重要なことから選ぶこともあったが……。 強化カード、メモリーになります。コンテストにも出ます 特別指導でカスタマイズしたカードは、しっかりとメモリーの抽選に入る。コンテストのカードとして選出されることもあるので、さらに上位勢の争いは熾烈になりそうだ。 ガチ勢の新たなモチベになりそう。……というのと同時に、地獄の蓋が開いたような気がしないでもない。 カスタマイズしたカードは“初”にも持ち込めるため、より高評価を目指せそう。 ちなみに、カスタマイズされたカードはメモリー合成の対象にできない。合成先として指定することもできないため、既存の強いコンテスト用メモリーに強いカスタマイズカードを合成する、ということは不可能。強力なカスタマイズカードを持ったメモリーを軸にしつつ合成するのがよさそうだ。 ヘルプいわくそういうことらしい。実際に試してみたがやっぱり駄目でした。 より“プロデュースシミュレーション”らしくなったN.I.A編。また新たな一面を見せた『学マス』 ……と、いうことでだいたい網羅できただろうか。基本的な情報をまとめたらわりととんでもない分量になってしまった。ここまで読んでくださった方にお疲れ様を言いたい。 最後に軽い総括だけ。N.I.A編は、ゲーム性をガラっと変えたことに少々面くらいはしたものの、慣れれば初よりもかなりスムーズにゲームをプレイできるがとても好印象だった。 親愛度が上がるとカードの除去もできるように。快適すぎる。 ゲームプレイの感触もかなりいい。全体的にリソース管理が重要になり、シミュレーション的な楽しさがより増したような印象で、従来の『アイマス』らしい感覚に近いのではないだろうか(筆者は『アイドルマスター シャイニーカラーズ』と『アイドルマスター スターリットシーズン』しか遊んでいないため、あまり強くは言えないが……)。 体力の消費量など、消費するリソースが事前に予測しやすいのがいい。何手も先まで読んで行動を決めるシミュレーションならではの楽しさがしっかりとある。……まあこれは大ポカしたときの画像なのだが。 デッキ構築型ローグライトとしての『学マス』の楽しさは、新要素であるオーディションに綺麗に圧縮しつつ、それ以外のおもしろさを強調した“N.I.A”。筆者としてははやく「自分のスマホでやりたい!」という気持ちでいっぱいである。 ……というのも、この記事を書くために(あとシンプルにおもしろすぎて)つい20時間ぐらいやってしまったが、よく考えたらこのスマホは自分のものではないからである。「うっひょお強いメモリーできたァ!」なんて騒いでもなんの意味もない。書いていて虚しくなってきた。俺の20時間はどこ? ねえ。 このメモリー持ち帰れないですか? どうにかなりませんか? はやく自分のデータでいっぱいメモリーを作りたい。この記事の総括がそれでいいのかと思わなくはないが、とりあえずそう思うぐらいには“N.I.A”で作れるカードは強力であり、『学マス』プレイヤー垂涎の賜物……ということである。ああ、はやく26日になりませんか。この味を覚えさせておいてこれはあまりにも酷ではありませんか……。 ……皆さんもこの記事を読んでそういう気持ちになっていれば幸いだ。期待のN.I.A編は2024年12月26日に実装予定。その日を心待ちにしつつ、いまは“初”マスター最後のコンテスト環境でがんばろうと思う。