アカデミー賞でオメガ「デ・ヴィル」を着用したのは、『オッペンハイマー』で主演男優賞受賞のキリアン・マーフィー!
デ・ヴィル はどんな時計?
ドレッシーなデザインが特徴の「デ・ヴィル プレステージ」は、1994年の発表以来、ブランドの中でドレスウォッチのポジションを担い続けてきたコレクションだ。 キリアン・マーフィが着用したのは、主力となる41mm径。「デ・ヴィル プレステージ パワーリザーブ&スモールセコンド」はその名の通り、パワーリザーブインジケーターとスモールセコンドを併せ持つモデルで、シンプルなスモールセコンドによる3針で構成される。 ここでフォーマルウォッチについておさらいしておくと、まず基本は2針だ。ケース素材はプラチナかホワイトゴールドの白色系、ダイヤルはホワイトかシルバー、インデックスはバーかローマン。アラビックはNG。ストラップは黒革か黒サテンがベスト。皮革はグロッシーなアリゲーターストラップが条件となる。 アカデミー賞の登壇者はほとんどがブラックタイだが、上記のようなドレスコードが厳格に適用されない性格のアワードであるのだから、たとえば腕時計であっても、スピードマスターやシーマスターのブレスレット、しかも18Kイエローゴールド製ケースという選択もまったく問題ないはずだ。 だが、あえてのデ・ヴィルのステンレススティール。ファッション業界でトレンドのクワイエット・ラグジュアリーではないが、古典への回顧が進む近年の時計業界らしい、良い選択と言えるだろう。インデックスはローマン、2針のスモールセコンド、さらにアリゲーターストラップという基本仕様は、ドレスウォッチとして抑えるべきところは抑えている。くすんだグリーンの文字盤は、程よく遊びがあって実にエレガント。アワードの舞台にも好相性だ。 なお、ゴールデン・グローブ賞では、キリアン・マーフィーはバーガンディのレザーストラップとダイヤルを備える「デ・ヴィル トレゾア」、セドナゴールド製モデルを着用した。 いずれのデ・ヴィルも、素晴らしいセレクトではないか。今回のアカデミー賞の中でも、キリアン・マーフィーの時計IQは抜群に高い。
OMEGA デ・ヴィル プレステージ SSケース×アリゲーターストラップ、自動巻き、41mm径、79万2000円。 文と編集・神谷 晃(GQ)
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