新大関・大の里、高まる期待… 初代大ノ里の故郷から『ふじ』あしらった化粧まわし贈呈、そのココロは【大相撲】
大相撲の新大関大の里(24)=二所ノ関=が2日、大正末期から昭和初期に大関として活躍し、自身のしこ名の由来にもなった大ノ里の故郷・青森県藤崎町などからなる実行委から化粧まわしを贈られた。横綱への期待も込めて、町発祥で日本一の生産量を誇るリンゴ「ふじ」があしらわれている。 初代を超えろ―。そんな思いが込められた化粧まわしに大の里が、目を輝かせた。一年納めの九州場所(10日初日・福岡国際センター)に向けて稽古を重ねる福岡市内の二所ノ関部屋宿舎から約1200キロ離れた青森県藤崎町からの激励で、気合を注入された。 同じ「おおのさと」で1文字違い。番付の頂点を目指す逸材のため、師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)が、大ノ里の親族に許可を取るほどこだわったしこ名だ。大の里は「初代の大ノ里さんがいたから今、僕の名前もあると思う。化粧まわしをいただいたからには、町の思いを背負って頑張りたい」。その重みを改めてかみしめた。 白地の中央にあしらわれて赤が映えるのは、町発祥のリンゴ「ふじ」だ。なぜ「ふじ」なのか。全国のリンゴ収穫シェアで圧倒的トップの約6割を誇る青森県では、品種別の生産量で「ふじ」が半分ほどを占める。 町にとって「ふじ」はナンバーワンの象徴。贈呈式のため宿舎を訪れた平田博幸町長は「日本一、世界一の力士になってほしい」とリンゴに込めた思いを語り、「心技体そろった横綱になるため、来年が勝負の年。稽古を重ね、誰からも慕われる力士になってほしい」とエール。年内に後援会を発足させるとも明かした。 化粧まわし下部の馬簾(ばれん)と呼ばれる房には、横綱、大関のみに許される紫が配色されている。大の里は「憧れでもあった。大関としての実感にもなる」。この日の朝稽古では、福岡入り後で最多の17番。日に日に増す期待も力に変えていく。
中日スポーツ