スポーツ事故の脳しんとう「危険性を指導者らに周知して」長野県教委に要望
教員だけでなくスポーツ指導者にも研修を
このため協議会は要望書で(1)脳しんとうの危険性や事故の際の処置、競技復帰の判断基準を学校の体育施設に常時掲示すること、(2)県教委が現在行っている事故防止の研修会の一部を教師だけでなく、スポーツ指導者、保護者、競技者へも広げ、事故防止の警鐘を一般にも広げること、(3)協議会で来年予定する事故防止のシンポジウムへの協力――の3点を挙げ、教育現場に関わる幅広い関係者への働きかけを県教委に求めました。 母親の米谷さんも要望書で「体育の教員には事故防止の正しい知識や緊急時の対処法を身に付けてほしい。それが生徒と教員自身を守ることになります」と訴えました。これに対し、県教委のスポーツ課、高校教育課は「そうしたことを教員がしっかり胸に留めるよう対応したい」と、努力する考えを伝えました。 長野県内ではこれまでも学校管理下の柔道の練習中などに重い障害を招いた事故などがありました。文科省によると、全国でも1998(平成10)~2009(同21年)年度の12年間に体育活動中(授業、部活、体育行事など)の事故が590件発生。傷病の内容は突然死(359件)がもっとも多く、次いで頭部外傷(78件)、脊髄損傷(67件)などとなっています。運動部の活動が活発な中学、高校だけで発生件数の約90%を占めています。
---------------------------------------------------- ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説