自然や文化の違い体感 北海道の児童生徒、民泊での学び発表 龍郷町
鹿児島県奄美大島の龍郷町で6月に始まった教育民泊事業「かんもーれ!たつごう民泊」(同実行委員会主催)は7月29から3泊4日の日程で、北海道の小学5、6年生と高校生合わせて30人を受け入れた。参加した児童生徒らによるレポート発表が31日に町りゅうがく館であり、奄美の自然環境や文化について学んだことを振り返った。 同事業では町内の一般家庭で修学旅行生などを受け入れ、自然文化体験を提供することで地域の魅力をPRする。交流人口の拡大や観光収入の増加につなげることが狙い。2022年に実行委が発足し、実証を経て、今年6月に第1弾となる関西の高校の修学旅行生を受け入れた。 今回は、公益財団法人草野河畔林トラスト財団(北海道江別市、草野貴友理事長)が主催する自然環境教育ツアーに参加した児童生徒と引率者が来島。同財団は、自然環境を保全し未来に残す担い手の育成を目的とした活動を展開しており、奄美大島を滞在先に選ぶのは初めて。 児童生徒らは3~4人ずつ計9家庭にホームステイ。自然観察やタナガ(テナガエビ)取り、泥染めなどの体験活動に参加したほか、八月踊りで地域住民とも交流を深めた。 レポート発表には地域住民ら約60人も訪れ、児童生徒らの振り返りに耳を傾けた。計6班がそれぞれ関心を持ったテーマに基づき、知ったことや感じたことを共有。北海道と比較しながら、奄美の気候や自然環境、動植物、食文化など、実際に見聞きして得た学びをまとめた。 児童の一人は「近所の人たちと仲良く、互いに『兄(にい)』とかあだ名を使って呼び合っているのがいいなと思った。オカヤドカリなど、見たことのない動物や植物が見られて良かった」と笑顔で話した。