年金「月5万円」だけで暮らす母。心配なので同居をすすめたら「そんな時代じゃないから」と断られました…
親が高齢になり、仕事ができなくなると、多くは年金に頼ることになります。しかし年金だけでは、生活を続けることが難しくなる場合も考えられるでしょう。 例えば、ご自身の母親の年金受給額が月5万円で他に収入を得る手段がない場合、生活面が心配で同居をすすめたいと考える方もいらっしゃるかもしれません。 そこで今回は、高齢単身世帯の生活費や、既婚者で親と同居している家族の割合などについて調べてみました。遠くで一人暮らしをする親が心配な方や、同居のすすめに首を縦に振ってくれない親がいる方は、参考にしてみてください。
遠くで一人暮らしをする親……年金「月5万円」だけで暮らしていける?
一人暮らしをする親が仕事を辞めると、多くの人が年金だけで生活することになります。国民年金のみに加入している方や、満額を受け取れない方の場合、年金が「月5万円」ほどしかもらえないケースも考えられます。 総務省統計局の「家計調査報告」によると、65歳以上の単身無職世帯の1ヶ月あたりの消費支出は14万5430円です。 月5万円の年金だけでは毎月9万5430円の不足となり、貯金を崩しながら生活することになるでしょう。節約の工夫をして消費支出をおさえる方法もありますが、それでも赤字をなくすことは難しいと考えられます。 また高齢になると傷病のリスクも高くなり、医療費が家計を圧迫する可能性も高くなります。高齢の親が一人で年金生活をする場合は、できれば同居、または近くで暮らすことで、経済的および万一のときに安心です。
既婚者で親と同居している家族の割合と理由
国土交通省が実施した「既婚者とその親との住まい方の実態」に関するアンケート調査によると、既婚者で親と同居している家族の割合は全体の約23%でした。同居ではなくても、車・電車で1時間以内の比較的近くに住んでいる「近居」と回答した家族の割合は約52%です。 高齢世代になると同居率は高くなり、65歳以上では約30%が親と同居しています。これには、親が高齢になることで介護などの必要が生じることが理由のひとつとして考えられます。 親と同居していない既婚者でも、将来の意向としては、現状よりも近くに住みたいと考える方が多いようです。親と同居する理由を、割合の多い順にまとめると以下の通りです。 ●特に理由はない:44.9% ●介護・老後のため:28.9% ●緊急の事態が心配だから:23.8% ●気軽に顔を見に行ったり、話し相手になったりできるから:18.0% 同調査から、特に理由がなくても親と同居したいと考える既婚者がいることが分かります。また「介護・老後のため」「緊急の事態が心配」など、高齢になった親の面倒を見たいと考える方も少なくありません。 仕事を辞めて年金「月5万円」だけで生活する一人暮らしの親がいる場合は、経済的な援助の意味も含めて、同居を考える家庭があっても決して不思議ではありません。