「ただ文句をいうわけではなく、もっと優しく見守っていただけたら」人と猫の共生する社会の実現目指して「地域猫」活動の課題
「地域猫」の活動に注目しました。 まず、「地域猫」とはどのような猫なのか? 野良猫など飼い主のいない猫に不妊・去勢手術を施し、地域住民らで管理している猫のことを指します。 【写真を見る】「ただ文句をいうわけではなく、もっと優しく見守っていただけたら」人と猫の共生する社会の実現目指して「地域猫」活動の課題 この「地域猫」の活動ですが、飼い主のいない猫を増やさないために大切で、自治会長などの許可を得たうえで保健所に申請をする必要があります。 地域猫活動にあたっては、住民の理解が得られなかったり、無料で不妊・去勢手術を行える施設が限られていたりするなどさまざまな課題があります。 地域猫活動の現状と関係者の思いを取材しました。 ■えさ代も自費でまかなって… 宮崎県小林市にあるこちらの農業用の小屋。 ここで、地域猫のえさやりや掃除をしているのは、猫の不妊・去勢手術を行う団体の代表を務める寺田千明さんです。 (イエローキャット 寺田千明代表) 「毎日持ってくるけど、2日に1回くらいは買い出しをしている」 猫の耳をよく見てみると切れ込みが。 これは、不妊や去勢の手術を終えた証です。 ここにいる地域猫たちは、もともと、飼い主がいましたが、多頭飼育の状態となり、その後、飼い主が亡くなったため、寺田さんが2年前から地域猫として管理しています。 (イエローキャット 寺田千明代表) 「これを申請するときに(当初)40匹いるわけでしょう、ここに。(地域猫として)申請をしたいと言ったら、『40匹、あんたが連れて帰れ』と言われたり、『ほっとけば、どっか行く』とか、粘って、粘って、とりあえず、ここまで来たかなという感じです」 寺田さんは、時間を縫って猫たちの世話に訪れ、えさ代も自費でまかなってきました。 飼い主のいない猫をこれ以上増やさないため、日々、奮闘してきましたが、活動が十分に理解されていない現状も… ■もっと優しく見守っていただけたら (付近住民の男性) 「猫、また連れてきてない?増えてますよ」 この日、寺田さんのもとに訪れたのは付近住民の男性。 (付近住民の男性) 「だめですよ、もう。(猫が)来ないように囲いしてね」 (イエローキャット 寺田千明代表) 「囲いはどうやってするの?お金はどこから出るの?」 (クレームを言いに来た近所の男性) 「責任者でしょう、餌なんかやらなかったら、どっか逃げていくわけ」 (イエローキャット 寺田千明代表) 「その話はおかしい」