【速報】日本初 難病「脊髄髄膜瘤」の胎児へ母体介した手術に成功 大阪大学の研究グループ
大阪大学は日本で初めて脊髄髄膜瘤の胎児に対し、母体を介して手術することに成功したと発表しました。 脊髄髄膜瘤とは、脊髄が形成される時に異常が起き、背中の外に脊髄が出た状態となる先天性の難病で、これまで日本では、出生後にしか治療することができず、妊娠中に進む神経障害を改善することが困難でした。日本では毎年200~400人程度生まれているということです。また、妊娠22週未満で見つかった場合は、75%の人が人工妊娠中絶が選択されているということです。 海外では出産前の母親の子宮の一部を切開して、子宮内で胎児の背中の一部を露出して、脊髄髄膜瘤を閉じる手術が治療法の1つとして行われていて、この術法では神経障害が軽減されるとされています。 しかし、日本では技術的に難しいことや高度な周産期管理を要することから実施が困難だったということです。 そんな中、2021年4月に大阪大学医学部の遠藤教授らの研究グループらが、妊娠25週で「脊髄髄膜瘤」と診断された胎児に、日本では初となる脊髄髄膜瘤を閉じる、母体を介した手術が行われたということです。 手術後に1例目となる赤ちゃんは出産されましたが、合併症により生後3か月半で死亡したということです。 この他に国内では5例の同様の手術が行われ、いずれも成功したということです。 今回の手術について、遠藤教授は「多職種で連携して治療を安定して提供できるという体制がなかなか整わなかったが、今回行える体制を確立できた。今後、日本でも標準治療となるように診断された家族の希望になれば」などと話しました。