医薬品株、暴落後の高値更新争いで１位通過－３つのエンジンで急加速
７月以降のパフォーマンス上位銘柄は67％も上昇した住友ファーマを筆頭に、27％高の大塚ホールディングス、26％高の中外製薬、15％高のアステラス製薬など相対的に時価総額上位企業が多い。
評価の裏付けとなる業績は順調だ。シティグループ証券の山口秀丸アナリストはリポートで、医薬品の４－６月期決算は「おおむね好調」と総括。個別では武田薬品工業やアステラ薬、住友ファマ、第一三共が良好で、「７－９月決算では上方修正の余地がある」とみている。
市場関係者の分析に基づくと、足元の医薬品株の好調は世界景気の減速懸念と円高進行によるマイナスの影響を回避する「マクロ要因」、業績が良好な「ミクロ要因」、米金利の低下をきっかけにグロース株資金の受け皿となった「マーケット要因」の３つのエンジンが快走を支えている格好だ。
今後相場暴落のショックや過度な景気に対する不安が和らげば、ディフェンシブ性の強い医薬品株はこれまで上昇してきた反動で売り圧力に押される可能性はある。しかし、三菱ＵＦＪアセットの石金氏は、米経済のリセッション（景気後退）をメインシナリオとはしていないが、医薬品株に対する投資人気は「少なくとも半年程度は続きそう」と予想した。
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Toshiro Hasegawa
