【フェブラリーS】キングズソード 牝系のスタミナ&パワーにスピード加わり活性化
「フェブラリーS・G1」(18日、東京) 栗東在籍時、故・田中章博先生には大変お世話になった。先生の逝去後に新規開業したのが寺島良調教師であり、寺島師は田中章師から引き継いだキングズガード(17年プロキオンS)で重賞初制覇。それゆえ、同馬の全弟に当たるキングズソードでのJpn1初制覇(23年JBCクラシック)は万感の思いがあったことでしょう。 キングズソードの牝系はかなり奥深く、祖先は小岩井農場の基礎輸入牝馬であるアストニシメントにたどり着く。以前、当コラムではビーアストニッシドの際に紹介させてもらったが、クリフジやメジロマックイーンといった殿堂入りの名馬を輩出しながらも、近年はもうひとつ活気に乏しかった。それだけに、古式ゆかしきこの系統からJpn1覇者が出たのはうれしい限りだ。 父はダート界で猛威を振るうシニスターミニスター。母キングズベリーは芝の短距離型であったが、牝系をたどればハードツービート-ラシアンルーブル-デインヒルとスタミナ&パワーが備わっており、そこにキングヘイローのスピードが加わったことで血が活性化された感。アウトブリードの相性が抜群だったようで、きょうだいではキングズガード&キングズソードの成績が突出している。次に目指すはJRA・G1制覇。日本古来から続くこの系統からの快挙達成を期待したい。(デイリースポーツ・松浦孝司)