異なるスタンス?!アジア杯に挑む森保Jでの“ロシアW杯組”原口元気と乾貴士の役割と覚悟
森保ジャパンにとって初の公式戦となるアジアカップ初戦のトルクメニスタン戦が迫っている。 新体制における“顔”とも言うべき南野拓実、堂安律のパフォーマンスに注目が集まる一方で、中島翔哉が負傷離脱した今、期待されるのが昨夏のロシア・ワールドカップの主力だった“日本の両翼”、原口元気と乾貴士だ。 ワールドカップのベルギー戦を終えたとき、日本代表における彼らの立ち位置がここまで大きく変わることになるとは正直、想像がつかなかった。 なかでも27歳の原口は、彼自身がベルギー戦翌日に「長いこと日本代表を支えてくれた選手たちがいなくなる。これからは今回経験した選手たちがやらなくてはいけない」と誓っていたように、日本代表の中心となることが期待されていた。 ところが、森保一監督がワールドカップの主力を“あえて”ひとりも呼ばなかった9月のコスタリカ戦で、2列目を務めた南野、堂安、中島がチームに新風を吹き込み、鮮やかにポジションを掴み取る。10月以降は原口も招集されたが、サブという立ち位置に甘んじることになる。 思わず本音がこぼれたのは、アジアカップに向けた昨年12月末の国内合宿でのことだった。 「ワールドカップ(での活躍)で、この先しばらく出られるかなって思った矢先に、そういう状況になった」と明かした原口は「現状のベストの中に自分の名前がないかもしれないっていうのは悔しさしかない、もちろん」と語ったのだ。 しかし、ポジション争いが熾烈なこの状況はプラスでしかない、とも力を込めた。 「アジアカップが始まれば、奪い返すチャンスはあると思っているし、このままベンチです、っていうタイプでもない。昔からそういう状況のほうが好きで、代表に入ったときも先輩たちがいて、彼らに追いつかなければいけない、奪い取らないといけないっていう気持ちでやってきた。出られるか、出られないか、っていう試合が好きだし、そういうメンタルのほうが自分は頑張れる、っていうのも知っている」 振り返ってみれば、2012年のロンドン五輪と2014年のブラジル・ワールドカップでは最終メンバーから落選した。ヴァイッド・ハリルホジッチ体制でも当初は途中出場でボランチを務めるなど、絶対的な存在ではなかった。 それでもワールドカップの最終予選でゴールを連発して、左サイドハーフのポジションを掴み取る。当時所属していたヘルタでも在籍3年目の2016-17シーズンにポジションを失ったものの、翌シーズンに移籍したデュッセルドルフで復活を遂げた。リバウンドメンタリティこそ、原口のストロングポイントなのは間違いない。 固い決意のもと乗り込んだUAEで、合流したばかりの中島の負傷離脱が決定した。思い描いた形ではなかったが、ポジションを奪い返すチャンスが巡ってきたわけだ。この状況に原口は「すごく残念」と中島のことを慮りながらも、「チャンスだと捉えている」と素直な想いを口にした。