元F1王者、アウディのF1参戦に懐疑的―「ノウハウは発明できない」―BMWと同じ危険性も指摘
1997年のワールドチャンピオンであるジャック・ビルヌーブは、アウディのワークスF1プロジェクトに懐疑的だ。 ジャック・ビルヌーブは、フォルクスワーゲン(VW)傘下のドイツ車メーカーであるアウディの大ファンで、最近も鮮やかなピンクのRS6をオーダーした。 ■ノウハウは発明できない しかし、アウディがF1のパートナーに選んだスイスのザウバー・チームについてはちょっと否定的だ。 フランス系カナダ人のビルヌーブは、『Sports Illustrated(スポーツ・イラストレイテッド)』誌にこう語っている。 「まあ、彼らは長年良い成績を残していないチームに加わることになるからね」 「ノウハウを発明することはできない。それは時間をかけて構築していくものだ」。 ■ウィリアムズのようになる? ウィリアムズでタイトルを獲得したビルヌーブは、実はF1キャリアの終盤にザウバーでドライブしていた。ザウバーがプライベーターだった2005年と、ワークスBMWの支援とオーナー権を得た2006年の時だ。 そして今、ビルヌーブは、ザウバーが新たに組んだアウディが成功するかどうかを疑問視している。 「ウィリアムズを見ればわかるよ」 「ご存じのように、しばらくの間は良い状態が続くが、ドライバーの給料やその他もろもろ支払うことになり、支払いが遅れてしまう」 ■アウディはアルピーヌのようになるのか? 「では、彼ら(アウディ)はどんなふうに加わるのだろうか?」とビルヌーブは不思議がる。 「彼らはルノー・アルピーヌと同じように、ただF1の一部になってイメージアップを図るために加入したのか、それとも実際にレーサーになって勝ちに行くために加入したのか。それは私たちにはわからない」 ■アウディにはBMWと同じリスクがある ビルヌーブはまた、ザウバーにはBMWがF1から完全に撤退することを突然決めた2009年シーズンの二の舞になる危険性もあると言う。ザウバーはその後、ただ生き残りをかけて戦うだけの数シーズンを過ごした。 「コンストラクターが参入してきた時に危険なのは、5分もあれば簡単に『よし、我々は終わりだ、さようなら』と決めることができることだ」 「彼らはこのスポーツにとって素晴らしい存在だが、その点では非常に危険でもある」。