《ブラジル》ヤクルトアカデミーに道具寄贈=サンキョウテクノスタッフ=ブラジルの野球少年を応援
株式会社サンキョウテクノスタッフの三原昇代表取締役社長らが6日、サンパウロ州イビウナ市のヤクルト野球アカデミーを訪れ、野球ボールやグローブ、膝あてなどの野球用品100万円相当を寄贈した。同アカデミーには現在、13歳から17歳の野球少年52人が所属している。 同アカデミーのマテウス・コバシくん(15歳)は、寄贈されたグローブを早速手にはめ、「今自分が使っているグローブよりも品質が良く、手に馴染みます。グローブ負けしないようにもっと練習しなくちゃいけませんね」と笑顔で意気込みを語った。 三原社長はかつてプロ野球選手を目指し、大学時代まで日々練習に明け暮れる野球少年だった。高校時代の後輩が同アカデミー出身者だったことや、以前ブラジルを訪れた際にブラジルでは野球道具が足りないことを知り、今回の寄贈企画を主導した。野球用品専門メーカー「ハイゴールド」が協力し、寄贈品の中には雨天時でも使用可能なゴム製でありながら、重量や感触は通常球とほぼ変わらない練習球なども入っている。 株式会社サンキョウテクノスタッフは愛知県豊橋市を拠点にする人材派遣会社。多くの日系人の就業サポートを行い、スポーツ選手のセカンドキャリア形成サポート事業も行っている。
「焦らず、今出来ることを」=野球少年へ道具と共に贈った言葉
サンパウロ州イビウナ市のヤクルト野球アカデミーは2000年に開校し、現在は13歳から17歳の野球少年52人が在籍している。キューバやベネズエラ、ペルー出身者もいる。選手らは球場施設で生活し、バスに乗って学校にも通う。同アカデミーは文武両道を旨とし、学校のテストの点数が低いとアカデミーの監督から怒られることもしばしば。少年らは日本への野球留学や、ドミニカ共和国でのプロ選手登録、アメリカメジャーリーグでの活躍を夢見て日々練習に励んでいる。 6日に同アカデミーを訪れ、野球道具の寄贈を行った株式会社サンキョウテクノスタッフの三原昇代表取締役社長は率先して選手たちとの交流を深めた。三原社長もかつてプロ野球選手になることを夢見、日夜練習に励んだ野球少年だった。 一生懸命に夢を追いかけるブラジルの野球少年たちの姿に三原社長の野球愛も止まらない。三原社長は怪我が原因でプロ野球選手になる夢を諦めた。アカデミーには怪我をしている選手もおり「周りのプレイを見ていると焦ってしまう気持ちもわかる。でも、その焦りで一生プレイが出来なくなることもある。大丈夫、今出来ることをすればいい」と力強く励ましていた。 「焦らず、今出来ることを」――隣で聞いていたコラム子にもこの言葉は響いた。地道に出来ることを続けることが何事も一番の近道になるのだ。(莉)