【大学野球】仙台大が2季ぶり10度目の優勝…延長10回タイブレーク 渡辺一生が志願の登板で制す
◆春季リーグ◇仙台六大学野球 最終節第2日 ▽2回戦 東北福祉大4-5仙台大=延長10回タイブレーク=(26日・東北福祉大野球場) 仙台大がタイブレークまでもつれ込みながら、東北福祉大に延長戦の末5―4で勝利。2季ぶり10度目の優勝を決めた。25日の第1戦で先発した渡辺一生投手(3年=日本航空)が延長10回に登板して試合を締め、MVPを含む3冠に輝く活躍を見せた。2年連続4度目の出場となる全日本大学野球選手権(報知新聞社後援。6月10日から7日間、神宮ほか)では、第1日目(10日)の東京ドーム第3試合で星槎道都大(札幌学生)と対戦する。 *** 帽子を、そしてグラブを立て続けに放り投げて喜びを爆発させた仙台大・渡辺をめがけて、ベンチからチームメートが笑顔で駆け寄った。タイブレークの激闘を制し、2季ぶりの優勝だ。渡辺は「最後は気持ちだけで思い切り投げた。チームを全国に連れていくと思ったら勝手に力が湧いてきた」と充実感をにじませた。 25日の第1戦では、7回125球を投げて無失点に抑えた。この日は5―3の延長10回にマウンドへ。優勝の懸かる大一番での連投となったが、1点を失いながら試合を締めた。今季4勝、防御率0・27の好成績を残してMVP、最優秀投手、ベストナインと3つのタイトルを手にした。 試合は3回に2点を先制。8回に勝ち越されたが9回にすぐ追いつき、3―3のままタイブレーク方式の延長戦に突入した。「(試合中から)最後は自分にいかせてください、と言い続けていました」と渡辺。森本吉謙監督は「僕の横に来てずっと言ってくるから…」と振り返りながら、「(投入した場面は)あそこは勝負。明日のことなんて考えていたらやられる」とエースにかけ、左腕も期待に応えた。 昨春はリーグ開幕前に負傷し、ベンチ入りは1度もなかった。優勝の瞬間はスタンドで見届け、この日もグラウンドに投げ入れられた色とりどりの紙テープを投げる側だった。全日本大学野球選手権にはチームに帯同も、立場は打撃投手。今年はエースとして全国舞台に臨む。「全国でも気持ちで投げ切るだけ。みんなの思いを背負って投げたい」と力強く語った渡辺。150キロ超の直球と鋭い変化球を武器に、チームの勝利のために力投を続ける。(有吉 広紀) 〇…仙台大は4年生が得点に絡む活躍をみせ、勝利に貢献した。3回1死二、三塁から4番・指名打者の小田倉啓介主将(4年=霞ヶ浦)が先制の右前打。1点を追う9回は1死三塁で2番・平野裕亮中堅手(4年=山村学園)の二ゴロの間に追いついた。この日2安打の平野は「優勝できてひと安心。(全国では)自分が結果を出すことが勝ちにもつながる」と話した。
報知新聞社