越境ECユーザーの「決済」への不安を解消する方法とは? 国内ECとの違い、利用されている決済方法などを解説
国内外を問わず、オンラインで買い物をする際、「決済」に不安を抱くユーザーは少なくありません。日本人が国内ECサイトで買い物をする場合でも決済手段に悩むことがありますが、海外ユーザーの多くは日本語が読めません。そのため日本語サイトの信用性がわからず、購入に踏み切れないケースが発生します。越境ECにおける決済の重要性、国内ECとの違い、ローカル決済の導入などについて解説します。
「決済」が越境EC利用のハードルにならないために
越境ECはオンラインであること、海外からの購入という点から、海外ユーザーに対して「安心感のある決済手段の提供」がサイトの信頼感を高める要素になります。ユーザビリティの観点からも、「いかに安心して利用できる決済方法を導入していくか」が重要です。
では、日本のECサイト側は海外ユーザー向け決済の導入にあたり、どういった点に気を付ければ良いのでしょうか。BEENOSの事例も交えて説明します。
国内ECと越境ECで認識すべき違いとは?
まず、国内ECサイトと越境ECサイトではどういった点が異なるのでしょうか。たとえば、国内ECではクレジットカード決済が主流です。
次のグラフは「世界銀行」が発表している2021年時点でのクレジットカード普及率から作図したものです。国によってかなりばらつきがあることがわかります。
国内ECサイトでは、クレジットカード決済に対応していれば問題ないかもしれません。しかし、越境ECサイトで海外ユーザーに販売するという点においては、この日本の感覚と海外感覚とのズレを認識しておいたほうが良いでしょう。 「PayPal」などの第三者決済サービス、電子マネー、デビッドカードなど、ECで主流の決済手段は国によって異なります。 アメリカであればクレジットカード以外に「PayPal」が広く普及していますし、中国であれば「Alipay」やデビッドカード機能がある「銀聯(ぎんれん)カード」が浸透しています。
「多通貨決済」もポイント
「決済通貨」も越境ECを活用するうえで重要なポイントの1つです。海外ユーザーが日本のECサイトから購入する際の、2通りの決済方法を紹介します。 1つ目は、日本円の商品金額を表示し、日本円で決済してもらう方法です。企業側はシステム改修のコストや手間が発生しません。一方、海外ユーザーにとっては自国通貨に換算していくら支払うのか確定しない状態で決済に進むため、不安を抱く場合もあります。 たとえば、自分がフランスのECサイトで現地でしか売買していない貴重な商品を見つけた時、言語はフランス語、価格はフランで表示されているとしたら、途中で挫折してしまうかもしれないことは想像に難くないと思います。 2つ目は、海外ユーザーの現地通貨で商品金額を表示し、決済してもらう方法です。この場合、海外ユーザーは自国通貨で決済額を把握するので安心して取引を行うことができます。しかし、企業側は多通貨対応のためのサイト改修で手間とコストが発生し、為替レート料率による手間賃、決済から入金までのタイムラグなどのデメリットも生じます。 こうしたリスクを減らすために、日本国内と海外で商品の販売価格を異なる設定にすることを検討しても良いかもしれません。カード会社への手数料などを差し引いても利益が出るように価格を設定するためです。 どちらの方法でもメリット、デメリットが存在しますが、自社対応による手間やコスト、リスクを解消するために、越境ECのサポートサービスを利用することも方法の1つです。