メイベリン 、エレミスらが語る美容市場での消費者行動の変化
ソーシャルメディア上での商品発掘の台頭、D2Cのeコマース環境の変化、美容業界におけるオムニチャネルの重視などにより、消費者の購買プロセスはここ数年で一変している。つまり、ショッピングジャーニーは直線的ではなくなった。 2月26日、インフルエンサーマーケティングプラットフォームであるLTKが主催し、マイアミで1日限りのLTKビューティフル(LTK Beautiful)イベントが開催された。イベントでは、美容業界のリーダーや有識者が集い、この新しい曖昧な消費者行動がもたらす課題、ブランドがコンテンツクリエイターと協働する方法の変化、今後の全体的な影響などについて議論した。以下に、その会話を抜粋して紹介する。
TikTok中心の戦略
「TikTokは(商品の)効果を示すために活用でき、また、すぐに対応したり関連性を示すことができたりするチャネルであることが証明された。特に(デジタル)オムニチャネルの多様化や、eコマースの取り組みを収益化するためのさまざまな方法を検討しながら、TikTok戦略を引き続き発展させ続けていくことに胸を躍らせている」。 ─ オラプレックス(Olaplex)グローバルコミュニケーション&コミュニティエンゲージメント担当バイスプレジデント リサ・ボブロフ氏 「当社はTikTokをリサーチとリスニングツールとして使っている。場合によっては、ブランドがクリエイターのブリーフを細かく指示し過ぎることがあるからだ。当社はそこから脱却し、自社商品がどのように使われているか、商品に興味を持っているのは誰なのかということに注目している。消費者やクリエイターがブランドについてどのように語り、どのようなリサーチをしているのかを把握することができる。……我々は間違いなく、TikTokを検索エンジンとして活用するようにしている。TikTokはインテントベースなので、インスタグラムとは明らかに次元が異なっている」。 ─ タタハーパー(Tata Harper)デジタル担当シニアバイスプレジデント ハイディ・ジェソップ=マウンド氏 「当社の最優先チャネルはTikTokとインスタグラムだが、目的は異なる。検索に対する投資ならTikTokで、次がPinterestだ。具体的に、特にTikTokでは……私のチームは、ユーザー検索で見つけてもらえるようにコンテンツ制作をしている。また、トレンドに基づいたものであれ、我々のローンチに特化したものであれ、あるいは当社の社会活動のひとつであれ、我々のコンテンツクリエイターパートナーを支援するためのペイドメディアを常に用意している。当社はペイドメディアに至るまで、すべての検索コンポーネントにTikTokを使うよう努めている」。 ─ メイベリン(Maybelline)ブランドエンゲージメント責任者 サラ・シェイカー氏