【子どもの性被害】あげた声をつぶす大人たち 上下関係があるところで「同意の上」は成り立たない 被害者が「声をあげていいんだ」と教えることの大切さ バトン元指導者わいせつ容疑逮捕で専門家解説
■性教育は幼児の時から
性教育を始めるのに一番やりやすいのは、保育園ぐらいです。男女の身体の違いに興味を持つなど、子どもの正常な好奇心から来る行動が、大人の目に見えやすいので、そのチャンスをとらえてみんなに教える。また、この頃だと、弟や妹が生まれることも多いので、どうやって赤ちゃんができるのか、どこから生まれてくるのか、日常的に話題にして性教育ができるチャンスでもあります。 とにかく小さい内に、どれだけ教えられるか。そして、例えば「プライベートゾーンの話(水着で隠れるところ+口は、簡単に人に見せたりさわらせたりしてはいけない、写真に撮らせたり撮ったりしてはいけない)」や、「自分の体のことは自分で決めていけるのだよ」といった基本的かつ大切なことは、繰り返し繰り返し、小学校に入っても伝え続けることが大切です。 その上で、次のステップとして、「場面による被害(学校や部活、習い事といった所での、先生や上級生とのケース)」や「被害にあった時の対処法」を教えていく必要があると思います。
■声をあげることが特別ではない社会をみんなで作る
子どもたちが「言っても大丈夫なんだ。声をあげることは特別なことではないんだ」と思える環境を整えていかなければいけません。そのためにも、保護者だけでなく、社会全体で、この問題に興味を持って欲しいです。そして、ひとりひとりが、疑問に思ったら学校や教育委員会に積極的に働きかけていく、皆の力で子どもの性教育現場を変えていければと強く願います。 (仙頭真希子弁護士)