ホームデポ 、ショッパブルTVは「次のフロンティア」:ビジオと共同で自宅改修番組を放映中
より的確なターゲティング
ビジオにとって、「メリー&ブライト」は新しいコンテンツ戦略の一環だと、ブランドコンテンツおよび販売戦略担当バイスプレジデントのカトリン・ウィルソン氏は語る。より強力なストーリーテリングに注力し、消費者のエンゲージメントの機会創出に重点を置くことに加え、ビジオは最近、オペレーティングシステムを見直し、ACR(自動コンテンツ認識)データをより有効に活用し、レコメンデーションを改善できるようにした。これによって、人々がテレビをつけたとき、「メリー&ブライト」を表示させるターゲットをより的確に行えると、同氏は述べる。 「視聴者がどのようなコンテンツに興味を持ち、どのようなコンテンツを楽しんでいるかを把握しているため、このタイプのコンテンツからもっとも恩恵を受けるような消費者のタイプを、フロントエンドで的確にターゲティングできる。単にネットワーク上で広告を配信し、適切な視聴者の目に触れることを期待するのとは対照的に、より十分な考慮の上で取り上げることができる」と、ウィルソン氏は述べている。 このプロジェクトは、ビジオとホームデポのチームに加えて、ターンカードコンテンツ(Turn Card Content)がプロデュースし、OMDのザ・コンテンツ・コレクティブ(The Content Collective)のマーケターと共同で制作された。この番組は1本10分程度になっている。これはストーリーを展開し、DIYを行う人たちのための身になるヒントを盛り込むのに十分な長さでありながら、それほど長い時間拘束させるものではない。そして、QRコードは目ざわりにならないよう、画面の下部3分の1で点滅することが決められた。 「この新しいメディアの利点のひとつは、我々がルールを作り、ホームデポとパートナーシップのニーズに応えられる最適な方法を決定できることだ」と、ウィルソン氏は述べている。
顧客維持のためのメディアを模索
リザードストラテジー(Lizard Strategies)の創設者兼CEOのリズ・クレッセル氏は、あらゆる規模のブランドが、ショッパブルなテレビコンテンツを実験していると語る。しかしこの分野はまだ成長段階であり、多くの企業が広告予算を絞っていることから、実験的なものは必ずしも優先されない。さらに、視聴者にとって意味のある方法で実行されなければならない。 「買い物客が動画を一時停止して、スマートフォンを手にしてスキャンすると想定してはいけない。さらに、コードが消えてしまう前にスキャンできなかった場合に、買い物客が番組を巻き戻してスキャンし直すなどと考えるのはもってのほかだ」と、同氏は述べている。 「メリー&ブライト」の場合、画面に表示されたQRコードは、視聴者の手元にスマートフォンがない場合、手に取ってスキャンするのに十分な時間だけ画面に表示されていないこともあったと、クレッセル氏は述べている。また、たとえばユニークな商品ページや、割引コード、またはデコレーションのヒントのようなeメールキャプチャなど、遷移先がもっと具体的なものであったり、さらなるエンゲージメントの機会を提供することもできたはずだと同氏は語った。 しかし、ホームデポが顧客を引き付け維持するために新しいメディアを模索したのは、これが初めてではない。以前にもパンデミックによるロックダウンの頃、ライブストリーミングのワークショップを実験したことがある。これは、店舗がシャットダウンしたことで盛り上がったトレンドだ。また、ホームデポは、今でもウェブサイトで無料のワークショップを提供している。ワークショップは、蛇口の設置方法や、ガレージの収容力を最大限に活かす方法など、DIYプロジェクトや住宅改善に焦点を当てている。 「いろいろと実験しているのはすばらしい。人々に何かのやり方を教えているから理にかなっている。これは収益化に最適だ」と、クレッセル氏は述べている。 [原文:How Home Depot is experimenting with shoppable TV content on Vizio] Melissa Daniels(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子) Image via Home Depot
編集部