2180日負けていない女子ボクサーが世界タイ記録へ挑戦!
女子ボクシングのダブル世界タイトル戦(2日、足立区総合スポーツセンター)の調印式並びに計量が1日、東京文京区のJBC内で行われ、IBF女子世界L・フライ級王者の柴田直子(33歳、ワールドスポーツ)、挑戦者の同級1位アナ・アラゾーラ(34歳、メキシコ)、WBC女子アトム級王者の小関桃(32歳、青木)、挑戦者の同級2位デニス・キャッスル(42歳、英)の4人は揃って一回で計量をパスした。 注目は、14度目の防衛戦に挑む小関だ。V14に成功すれば、元WBA世界ライトフライ級王者、具志堅用高氏の持っていた13度連続世界王座防衛の日本記録を更新することになる。また女子の世界王座連続防衛記録の世界記録に並ぶことになる。 具志堅氏の記録と、まだ歴史も浅く、世界的な競技人口も少ない女子ボクシングの記録を同等に扱うことに対しての批判的な意見は多くみられ、小関自身も「選手層もレベルも違うのに、具志堅さんの記録と私の記録を比べるのは失礼だし、ある意味ナンセンス」という意見を持って、常々質問をされれば、そう答えている。 ただ同じ女子ボクサーが作っている世界記録に対してはこだわりがある。この試合に勝てば、WBA女子世界フライ級王者、スージー・ケンティキアン(ドイツ)、WBA女子世界ライトフライ級王王者、ジェシカ・ボップ(亜)らの持つ14度の女子の連続防衛世界記録に並ぶのだ。 「13度目は意識しました。女子の記録については、こだわりはありますが、私なんかよりもっと凄い人が今なお続けている記録なんで……もう記録に縛られずボクシングをしたいんです。今回は、本当に自分が強くなっていることを実感しています。勘違いかもしれませんが、その強さを試したいんです」。 2008年8月11日以来、約6年、2180日間、負けていない“レジェンド女子ボクサー”は、少しはにかんで、そう言った。実は、前回のV13戦で左拳を痛め、試合後、約2か月間、右手1本でしか練習ができなかった。だが、その練習は怪我の功名となって「右だけでなく、ひとつひとつのパンチを強く打つこと」を覚えた。手数とスピード重視型のボクサーだった小関が、プロ22戦目にして新境地を発見したのである。