水俣病懇談会のマイク切り…「大変不適切だった」 浅尾環境相が就任会見、問題解決へ「信頼関係育みながら前進」
浅尾慶一郎環境相は2日の就任記者会見で、水俣病対策について「関係者の意見を十分に伺い、今後の政策に生かしていくことが重要だ。まずは事務方による継続的な意見交換を通じ、信頼関係を育みながら前進させたい」と述べた。 【写真】〈関連〉懇談会でマイクを切った国の対応に抗議する被害者団体関係者ら(左)=5月1日、熊本県水俣市の水俣病情報センター
5月の患者・被害者団体との懇談で、環境省職員が団体側のマイクの音を切った問題に関し、浅尾氏は「大変不適切な対応だった」と言及。水俣病は「環境行政の原点」との認識を示し、「つらい状況にある方々にできるだけ寄り添って対応していくことを(職員に)指示する」と語った。 問題を受けて省内に設置した「水俣病タスクフォース」は、大臣や副大臣などが顧問を務めることを含め、「体制に変更はない」とした。損なわれた関係団体、現地との関係修復が目的で、「引き続き実務的な意見交換の準備・運営を担う」と話した。 ◇獅子島の会など現地懇談申し入れ書 水俣病被害者獅子島の会と水俣病患者連合は、新内閣が発足した1日、浅尾慶一郎環境相宛てに熊本県水俣市などでの早期懇談を求める申し入れ書を提出した。 申し入れ書は、前任の伊藤信太郎氏が立ち上げた水俣病問題解決のための「タスクフォース」の継続や、水俣市や鹿児島県長島町獅子島などでの懇談を求めている。
南日本新聞 | 鹿児島
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