なんとフォード「シエラRS500コスワース」が約3780万円で落札! 高額の理由はノンレストア、低走行、温度管理されたガレージ保管だったから
フラットスポットができないようパッド入りマットの上で保管する徹底ぶり
彼のオリジナリティに対する完璧主義者的なこだわりは、愛車を常にパッド入りのマットの上に保管し、不動のタイヤにフラットスポットができることがないようにしていることからもうかがい知ることができる。 No.433は完全なノンレストアながら、完璧なコンディションを保っている。愛情を込めてカーショーやイベントに持ち込まれ、数多くの賞も獲得している。アイコニック側では完璧に走り、純粋で手つかずの、新車として作られた時代そのままのフィーリングを備えているという自信を露わにしていた。 またスペアホイールは新品で、英国フォード純正のファーストエイドキットやワークショップマニュアル、ブリストル・ストリート・モーターズのケースに収められたオーナーズマニュアル、箱入りの純正フォグランプ、ディスク型の納税証明ホルダー、オリジナルの純正カーマット。さらには特注ボディカバーとダッシュカバー、オリジナルのエキゾーストとタイヤなどもすべて、オークションの落札者に引き渡されることになっていた。
特別中の特別モデルゆえの高額相場
アイコニック・オークショネアーズでは、旧屋号の「シルヴァーストーン・オークション」を名乗っていた時代から、総計30台以上のRS500を市場に送り出してきたそうだが、このNo.433はそのなかでも最高の1台とのこと。その自信とともに、16万ポンド~19万ポンドという、もとより価格高騰中のRS500の中にあってもハイエンドに属する高額のエスティメート(推定落札価格)を設定した。 そして迎えた競売では、エスティメート上限まであと一歩の18万9000英ポンド、日本円に換算すれば約3780万円で落札されることになったのだ。 ちなみに、英国のカーマニアが愛してやまないフォードのパフォーマンスモデルのなかにあって、「エボ」ではない通常のシエラRSコスワースは5~6万ポンド、4ドアサルーン版の「RSコスワース サファイア」であれば3万ポンド前後というのが大方の相場価格であるのに対し、RS500は比較的安価なものでも10万ポンド前後で売買される超人気モデル。なかでも、今回の個体は特別中の特別ということだったのであろう。
武田公実