ガリアーノ節炸裂!「メゾン マルジェラ」“アーティザナル”の脳裏に焼き付くショー【2024年春夏オートクチュールまとめ】
終盤は、青と白のストライプのコットンポプリンで作るドレスやスカート。白の部分を折りたたんで縫い合わせることで彫刻的なフィット&フレアシルエットを生み出している。ラストには女優のグェンドリン・クリスティー(Gwendoline Christie)が登場し、ストライプのコルセットと半透明のラテックスドレスでショーを締め括った。
鳴り止まぬ拍手と足音
30分にわたり繰り広げられたシアトリカルな大作は、まさに“ガリアーノ節炸裂!”といった印象。フィナーレに登場したモデルたちは、素晴らしいパフォーマンスを称える盛大な拍手で迎えられた。そして、ガリアーノは最後まで姿を見せることはなかったものの、彼の登場を待ち侘びる観客の拍手と歓声、そして木の床を踏み鳴らす足音はしばらく止むことはなかった。それは、脳裏に焼き付くようなファッションショーを目の当たりにすることが減り、マーティングや商業的な側面を感じるショーが増える中、心を震わせるクリエイティビティーの結晶に飢える観客たちのピュアなリアクションに他ならない。創業者時代のメゾンをよく知る人は、「メゾン マルジェラ」らしくないと言うかもしれない。しかし、ファッション界にはやはりガリアーノのようなドラマチックなストーリーテラーが必要だ。