チャンピオン・カーニバルは宮原が優勝 安齊の3冠王座に挑戦表明「お前に未来は来ない」
「プロレス・全日本」(12日、横浜BUNTAI) 1973年にスタートした、シングル最強を決める春の本場所「チャンピオン・カーニバル」の優勝決定戦が行われ、Aブロック1位の宮原健斗(35)がBブロック1位の斉藤ジュン(37)を27分15秒、シャットダウンスープレックスホールドで沈め、2019年以来5年ぶりの優勝を飾った。 【写真】降り注ぐ金の雨!全身で受け止める宮原 ジュンの必殺技サイコブレイクをカウント2で返した宮原は、ブラックアウトでカウント2を奪うと25分過ぎ、完璧なシャットダウンスープレックスホールドでジュンの巨体を投げるが、カウント2で返される。宮原はシャットダウンスープレックスホールド、ジュンはサイコブレイクを狙うが、バックに回った宮原がこの日2度目のシャットダウンスープレックスホールドで投げきり、3カウントを奪った。 宮原は「何が足りないんだ?おまえだよ、安齊勇馬!俺の試合の解説なんて20年早いわ!上がって来いよ!」と、解説席の3冠ヘビー級王者・安齊勇馬(24)を呼び込み、「チャンピオンの条件はいくつかある。プロレスラーらしいこと、ルックスがいいこと、ベルトが似合わなきゃいけないこと。おまえにはまだ早いな!スーパースターはそんなに甘くないんだよ!新時代?たたきつぶしてやるわ!」と挑戦表明した。 安齊も「プロレスラーらしいこと、ルックスがいいこと、そこは圧勝だな!あなたに勝ってベルトが一番似合う男になってみせます」と受諾。宮原は「おまえとは前哨戦はいらない。5月29日、後楽園ホールだ!チャンピオンロード、お疲れさん!」と、決戦場を指定した。 宮原はバックステージで優勝の大トロフィーにキスして喜びを表現すると、改めて安齊に「おまえがプレッシャーにつぶされる必要はない。俺に任せろ。おまえは間違いなく何十年に1人だ。でも俺は彼にのうのうと任せる気はないな。俺はのうのうと譲る気はこれっぽっちもないからな。マジでたたきつぶすよ!未来なんて俺がいるうちはおまえにはやって来ないぞ!」と通告した。 セミファイナルでは王者のライジングHAYATO(25)に、7月引退を表明している古豪カズ・ハヤシ(50)が挑戦した世界ジュニアヘビー級選手権試合が行われ、HAYATOがこの日、一度は両膝を立てて防がれたシド・ヴィシャス(トップロープに飛び乗ってのライオンサルト)で13分52秒、フォール勝ちした。 HAYATOは「苦しかったけど勝ったよ。ほんの少し俺の世界ジュニアへの気持ちが強かっただけ」と謙虚に語り、「カズ・ハヤシは本当にすごい男だよ。持ってる本当にすごいものを盗ませてもらうよ」と、カズを称賛。「世界ジュニアのイメージ、伝統、歴史を俺が全部、一回ぶち壊させてもらうよ。ぶち壊した先に何か光があるんじゃないかと思った」と、今後の展望を語った。 カズは「死んじゃう。もう出し切った」と息を切らせ、「僕は今日までのプロレス人生に全く悔いはないし、最高のプロレス人生を送っている。次につながるような試合、また見たくなる試合は引退試合まで続きます」と誇り高く述べた。 休憩前には身長1メートル92センチ、体重145キロの斉藤レイ(37)と2メートル、110キロの綾部蓮(27)の超大型日本人シングル対決が実現。果てしないレイのチョップと綾部のエルボーの打ち合いから綾部がドロップキック、ボディースラムとたたみ込んだが、ブレーンバスターを堪えたレイが張り手の連打で綾部をダウンさせ、アイスバインで11分41秒、3カウントを奪った。 レイは「デカいだけあって、エルボー効いたな。綾部、バチバチ楽しかったぜ。まだまだお互いこんなもんじゃないだろう。次も2メートルのおまえと熱い戦いをできるのを期待してるぜ」と振り返ると、ベイスターズのビールをグビリ。 4月入団の綾部は「斉藤レイと1対1でバチバチにやり合ったのは最高に楽しかった。4月から入団して、こういうデカい相手とバチバチやり合えるのは楽しくてしょうがない。最高すぎる、全日本、そしてチャンピオン・カーニバル」と初のチャンピオン・カーニバルを総括した。 「このチャンピオン・カーニバルで綾部蓮はどれだけ強くなってしまったんだろう。ここからはプロレスを楽しんで楽しんで、結果も残すよ。狙ってるものはたくさんあるからな」と、ステップアップを宣言した。