【地球の力を感じるジオパークの旅】大陸の影響が感じられる日本最西端のジオパーク
長崎県・五島列島ジオパーク
日本列島と大陸との間に位置し、四方を海に囲まれた五島列島は、北の上五島と南の下五島に分けられる。その下五島エリアの島々からなる、日本最西端のジオパークだ。 五島列島の大地は、約2200~1700万年前にユーラシア大陸の一部だった。この時代に堆積した砂や泥は白と黒の縞模様の地層となり、五島層群と呼ばれる。その後、火山の噴火により溶岩台地と多数の火山島が形成された。
「五島列島の中心の福江島でいえば、平坦な火山台地、深い谷あいの山々、広い盆地、リアス式海岸と1時間のドライブで多彩な景色の変化が楽しめます」と髙場智博専門員。 五島列島のシンボルでもある、標高315メートルの鬼岳は約1万8000年前に噴火した火山。福江島南西端の大瀬崎では、高さ約100メートルもの五島層群の断崖が見られる。ユーラシア大陸が起源のダイナミックなその地層は、本ジオパークを代表する観光スポットだ。 文/荒井浩幸 五島列島ジオパーク専門員・髙場智博さん 空気が澄む12月頃には、大瀬崎から約70キロ離れた国境の無人島群の男女群島がはっきりと見えます。また、福江島北側にそびえ、車で行ける城岳もおすすめです。上五島はもちろん、北端の小値賀(おぢか)島まで、五島列島の主要な島々を見渡す絶景が満喫できます。 ※「旅行読売」2023年12月号より