「赤」か「黒」か 血痕をめぐって主張を対立 最大の争点「5点の衣類」【袴田事件再審公判・結審】
<久留米大学 神田芳郎教授> 「酸素濃度を全く考慮していない、こういった実験というのに私は意味を見出すというのは私は難しいと思います」 これに対し、弁護側の奥田助教は…。 <旭川医科大学 奥田勝博助教授> 「みそ原料が入れられるまでに最高で3週間くらいあった。その間であれば、みそ原料でふたをされるまでは空気に触れているわけですから、十分変色したと」 弁護側は、みそ会社の従業員の供述調書に基づき、事件発生から3週間ほどはタンクの中のみそは少なく「5点の衣類」が酸素に触れる時間は十分にあったなどと主張しました。 5月22日に開かれた最後の審理で死刑を求刑した検察は改めて長期間、みそ漬けされても血痕の赤みが残る可能性はあるとし「5点の衣類」は袴田さんの犯行着衣だと主張しました。 一方、弁護側は「長期間みそ漬けされた血痕に赤みは黒くなるはず」とし「5点の衣類」は捜査機関によってねつ造された証拠で袴田さんは無罪だと訴えました。 <滝澤悠希キャスター> 元東京高裁裁判長で30件以上の無罪判決を出してきた木谷明弁護士に聞きます。この血痕の色ですとか、かなり裁判所は難しい判断を求められると思うんですが、判決については裁判官は何をポイントに出されると推察されますか。 <木谷明弁護士> やはりこの着衣の血痕の色の問題が最終的な一番のポイントになると思うんですけれども、まあこれ絶対黒くなるんだということまで弁護人が立証しなくちゃならないとは思わないんですよね。だからそこの赤みが残る可能性はあるといってもその程度あるかと、そこの可能性をどの程度と見るかというところが最終的なポイントになるんじゃないでしょうか。
静岡放送