東山奈央、生演奏ならでのアレンジで魅せた初となるビルボード公演 ライブレポート到着
声優・歌手として活動する東山奈央が、5月12日大阪・Billboard Live OSAKA/5月18日と19日に神奈川・Billboard Live YOKOHAMAにて「NAO TOYAMA Billboard Live 2024 "p.rhythm"」を開催した。 【写真を見る】「NAO TOYAMA Billboard Live 2024 “p.rhythm” Billboard Live YOKOHAMA」より 2017年2月にTVアニメ「チェインクロニクル~ヘクセイタスの閃~」主題歌にもなっているシングル「True Destiny/Chain the world」で歌手デビューを果たした東山。2018年には日本武道館単独公演を成功させた東山が初めてBillboard Liveのステージに立った。いつものライブとは違い、食事やドリンクを味わいながら楽しめるBillboard Liveならではのステージが展開され、訪れた観客は東山の歌声にじっくりと耳を傾けた。今回は全6公演のうち、18日に開催された2ndステージの模様を届けしたい。 今回のライブでは、伊賀拓郎(Piano)、高木大丈夫(Guitar)、一本茂樹(Bass)、伊藤ハルトシ(Cello)、はたけやま裕(Percussion)が参加。5人が後方からステージへと上がると、続けて東山が白い鮮やかなドレス姿で登場し、「off」からスタートする。曲中には「今日は横浜のみんなにアコースティック聴いてもらおうっと」とささやくように語りかけるなど、しっとりと心地良い歌声を届けた。「Last Season」ではピンク色のライトに照らされながら陽気な歌声を披露すると、続く「シアワセリクエスト」ではイントロが流れると会場からはクラップが起こり、東山は客席をじっくりと見渡しながら、会場に集まった観客一人ひとりに目線を合わせていた。 3曲を続けて歌ったところで、東山は笑顔で観客に向けて「改めまして、こんばんはー!」と挨拶。「いつも3時間のライブやっているので、70分はかなりタイトなんですけど、この中にぎゅぎゅっとセットリストを詰め込んでおりますので、最後まで楽しんでいってください」と呼びかけた。いつものライブとは異なるBillboard Liveならではの近い距離感ということで、東山は「MCの間に(食事を)ガツガツ食べちゃってください」と気遣ったり、「おめかししてくださったり、いつも通りだったり、ありがとうございます」とコミュニケーションを楽しんでいた。 続いての楽曲では、最初のソロパートを演奏するバンドメンバーを東山から指名された観客が選ぶという嬉しいサプライズも。今回の公演で選ばれたのは、"パーカッション"。全身を使って奏でるパーカッションソロは圧巻だった。ソロが終わると自然と拍手が湧き、スタートしたのは「ゆれる」。東山の大人びた表情と生演奏らしいリズムを強調したバンドアレンジに観客は酔いしれるように聴き入っていた。「硝子の夜」ではミラーボールの演出がまるで星空のような幻想的な雰囲気を作り出していた。 「ゆれる」でのチェロとアコーディオンの見事な掛け合いを振り返りつつ、これまでのライブへの充実ぶりを話した東山は、ここでバンド名が「レインボードッグス~室内犬~」に決定したことを報告。すると、東山のライブでは恒例のお水のやりとりが。しかし、厳粛な空間で行われるBillboard Liveということで、「お水おいしゅうございますか~?」といつもよりもフォーマルなやり取りが行われた。 中盤のブロックでは、7年ぶりに披露された「StarLight」、生演奏ならではの豪快なアレンジで魅せる「グー」を立て続けに披露。アコースティックライブで披露されるとは予想できなかった「さよならモラトリアム」では、遊び心のあるアレンジで、音楽と向き合う東山の無邪気な姿が会場にさらなる熱気を生み出す。 世界観の異なる3曲を披露し終わった東山は「アコースティックにハマっちゃいそう」としみじみ。「いろんなジャンルを聴いてきたからこそ、次はどストレートなアコースティックが沁みるんじゃないかなと思いまして、みんなも大好きな2曲を聴いていただきたいと思います」と語り、披露されたのはTVアニメ「月がきれい」のEDテーマになった「月がきれい」。冒頭ハプニングもありつつも、楽曲の世界観を引き立てるようにじっくりと歌を届けた。「群青インフィニティ」では観客のクラップに応えるかのように、拳を振り上げながら、力強く歌い上げる。全10曲のライブを終えた東山は、アンコールを惜しまれながらも、最後の楽曲「冷めない魔法」をパワフルなアレンジでパフォーマンス。盛大な拍手に包まれる中、「今日は本当にありがとうございました!」と感謝を届け、笑顔でステージを後にした。 初めてのアコースティックライブをビルボードという大舞台で成功させた東山。再びこのあたたかな一体感に溢れるアコースティックライブが帰ってくることを心待ちにしたい。 取材・文=川崎龍也
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