【解説】「裏金事件」実態解明できる? 安倍派“金庫番”初公判の影響は…
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自民党の派閥のパーティー券をめぐる事件で、政治資金規正法違反の罪で在宅起訴された安倍派の会計責任者の初公判が10日午後開かれました。一連の事件での初めての裁判です。 この裁判を、自民党議員たちは、どうみているのでしょうか。次の「3つのポイント」について、日本テレビ政治部・自民党担当の川上泰記者が解説します。 1.「松本被告の裁判」どう見てる? 2.「裏金事件」結局、誰が指示? 3.「政治資金規正法」改正は?
■「松本被告の裁判」どう見てる? 自民党内「見守るしかない」、「これで決着図る」?
鈴江奈々キャスター 「まず1つ目ですが、この(松本被告の)裁判について、自民党議員たちを取材していて、どんな声が聞かれるでしょうか?」 日本テレビ政治部・自民党担当 川上泰記者 「自民党内では『見守るしかない』という声を多く聞きます。 裏金事件を受けて、自民党は岸田総理大臣自らも安倍派幹部らを事情聴取するなどして、国会議員39人をすでに処分しました。特に、安倍派幹部の塩谷氏や世耕氏には『離党勧告』処分、そして、下村氏・西村氏・高木氏は『党員資格停止』処分となっています。 ある自民党幹部は『厳しい処分を下し、これで決着を図る』と述べるなど、事件の対応で“一定のケリ”をつけた、という認識です。 ただ、その後に、この松本被告の初公判が行われたわけで、自民党内からは『政治家の関与などについて、新たに変なことを言い出さないか心配だ』という声が出ています。 野党側も冷静な見方が多いなかで、ある立憲民主党幹部は『何か新たな証言がでれば、国会で追及しなくてはいけない』と話しています」
■「裏金事件」結局、誰が指示? 実態解明は進まず 野党側は…
鈴江キャスター 「続いて2つ目、『「裏金事件」結局、誰が指示?』。 10日に始まった裁判で、その不正の実態がどこまで明らかになるかも焦点ですが、国会では今後、実態解明につながる動きはあるんでしょうか?」 日本テレビ政治部・自民党担当 川上泰記者 「自民党の内部調査や政治倫理審査会などが行われましたが、安倍派の“キックバック”が『いつ』『誰が』始めたのか、一度中止されたキックバックがどのように再開されたのか、この点の実態解明は進んでいません。 そうしたなか、国会では今週、新たな動きがありました。野党側が8日、まだ『政治倫理審査会』に出席していない安倍派と二階派の議員44人について、審査の申し立てを行いました。立憲民主党の安住国対委員長は『裏金事件は終わってない。政倫審で実態解明を行いたい』と強調しています。 ただ、この『政倫審』というのは強制力はないため、申し立てを受けた議員が、出席する意向を示す必要があります。国会で今後、実態解明が進むかは不透明と言えます」 鈴江キャスター 「そういったことを聞きますと、多くの国民は、本当にあきらめような気持ちになってしまうと思います」