子どもが社会人になって少しだけ生活に余裕が出てきました。投資をしてみたいです。これまで貯金一本だったミドル世代でも今から挑戦できますか?
新年度になり、環境が変わって慌ただしく生活している方もいらっしゃると思います。その一方で、新年度を機に新たなことに挑戦してみようと考えている方もいるでしょう。 特に今年始まった「新NISA」は、非課税保有期間が無期限化されたので、気になっているが投資についてイマイチ分からない、という方もいると思います。本記事ではそんな方に向けに、もう一度投資の基本をお話ししたいと思います。
まずは投資と貯蓄の違いを確認
お金を貯める行為として真っ先に思い浮かぶのが、銀行口座での貯蓄ではないでしょうか。銀行口座はお金を貯めるだけでなく、給与の振り込みやカード・公共料金の引き落としなど、日々の生活の決済手段としても使われています。 また、預貯金は残高さえあれば銀行やATMで気軽に引き出すことができ、流動性の高いものであるといえます。当然、(入ってくるお金)>(出ていくお金)であれば預貯金高は増えていき、これも資産形成の一つにはなります。 一方で投資は、利益を見込んでお金を出す(=出資する)ことで、株や投資信託がこれに該当します。 株を毎日売買して利益を得る機関投資家やデイトレーダーもいますが、一般的に個人の方の株取引や投資信託の取引は中長期に行い、その過程でお金を増やすことが目的となります。つまり「今」必要なお金ではなく、「近い将来」必要なお金を作ることが投資による資産形成となります。
ただし、投資にはさまざまなリスクがつきものです
まずは、「リスク」についてです。投資でいうところのリスク、これは一般的に使われるリスク=危険という意味ではありません。投資におけるリスクの意味合いは、「不確実性」や「可能性」を表す言葉です。 ちなみに、同じ金融商品でもある「保険」において使われるリスクとは、“危険”という意味合いで使われますので注意が必要です。 これを前提に、投資の主なリスクは以下のとおりです。 1.株価変動リスク 2.信用(デフォルト)リスク 3.流動性リスク 4.為替・金利変動リスク など 株にしても投資信託にしても、日々価格の上下動があります。1の株価変動リスクです。 また、一般的に株や投資信託と比べてリスクが低いとされている債券についていえば、発行体である国(国債)や会社(社債)がさまざまな理由で債務返済ができなくなる、あるいは利払いが滞ることがあります。これが、2の信用(デフォルト)リスクです。 投資対象が不動産である場合(いわゆる不動産投資)では、お金が必要になってその当該不動産を売りたいと思ったときに、購入者が現れない、あるいは希望価格で売れないといったケースが出てきます。これが、3の流動性リスクです。 最後に、債券や外貨を保有している場合、金利の上昇によって債券価格が下落する、あるいは外貨預金をしていて購入時より円高になることによって資産が目減りする可能性があるといったケースがあります。これが、4の為替・金利変動リスクです。