ほとんどの日本人が知らずに過ごしている衝撃の事実…老後の生活を左右する「たったひとつのポイント」
---------- 元伊藤忠商事会長、そして民間人初の中国大使を務めた丹羽宇一郎さん。仕事に生涯を捧げてきた名経営者も85歳を迎え、人生の佳境に差し掛かった。『老いた今だから』では、歳を重ねた今だからこそ見えてきた日々の楽しみ方が書かれている。 ※本記事は丹羽宇一郎『老いた今だから』から抜粋・編集したものです。 ---------- 【画像】ほとんどの人が老後を大失敗する「根本的な理由」
AI化していく企業
我が国では、すでにいくつかの大手企業が総務・経理関係でAI(人工知能、Artificial Intelligence)を導入して使いはじめています。多分、どの企業も同じような流れにあるでしょう。企業内のAI活用について詳しく知る人がいれば話を聞きたいと思った私は、昔の部下や知人に尋ねてみましたが、心当たりの人は見つからないとのことでした。 そこで、何社かの大手メーカーに自分で電話をして訊いてみたのですが、どの会社の対応にも壁があり、内情を教えてもらうことはできませんでした。AIをどう活用しているかは企業秘密なので、この件について企業から話を聞くのは無理と判断しました。 好奇心や知識欲にかられて行動しても、このように思うに任せないこともあります。しかし、最初から無理だと諦めたら行動を起こすことさえできません。ものごとを追究するには、「知りたい」「自分で見極めたい」という気持ちに蓋をしないことが大事です。その意味で、「既成事実であっても疑ってかかる」ということも大切です。 自宅で勉強をしていると、「この資料の記述は事実なのかな?」「このデータはどこまで信頼できるのか?」と、疑問をもつことが皆さんにもあるでしょう。 そんなとき私は、既成事実として誰もが疑いをもたないようなことであっても、すぐに調べます。調べても解決できない場合は、資料の出版元やデータを公表している省庁などに問い合わせて自分で納得できる答えが出てくるまで時間がかかっても解決する努力を続けます。 あまりしつこく質問するので相手を困らせてしまうこともありますが、内心「申し訳ない」と思いながらも、疑問をそのままにしておくことができないのです。 今の社会には、人の言うことを鵜呑みにしてしまう傾向があるように感じます。メディアが報じるニュースやネット上の情報を、何の疑いもなくそのまま信ずる人が増えている。人々の考える力が低下していると言われることも多くなりました。 世の中にあふれる情報を受け身で得ることに慣れっこになると、それらの情報の中身や質について、自分の頭できちんと考え、吟味し、冷静に判断することが難しくなります。その結果、フェイク情報に踊らされてしまう人も少なくありません。 誰かの意見や考え方を安易に取り入れる人が多くなっているという問題は、若い人たちだけに限ったことではありません。