「スタートラインに立ったよう」ノーベル平和賞授賞式に出席した本間さん(島根) 世界へ核廃絶求める活動に生かす
ノルウェー・オスロの市庁舎で10日にあったノーベル平和賞授賞式に出席した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の代表理事(12人)を務める本間恵美子さん(74)=島根県原爆被爆者協議会長=が式後、山陰中央新報社のインタビューに応じた。本間さんは「受賞は先人の活動の積み重ねがあってこそだと改めて実感した」と振り返った。 【写真】「スタートラインに立ったよう」 平和賞授賞式に出席し、集合写真に収まる本間さん
被爆2世として初めて被団協の代表理事に就いた本間さんは渡欧前、島根県原爆被爆者協議会長を長く務めた原美男さん=2022年に95歳で死去=ら被爆体験を語り続けた先人の名を挙げ、「思いを胸に抱き、一緒に行くつもりだ」と話していた。 式後、改めて「お元気でいらしたらさぞお喜びになったろう。代わりに参加させていただいたような思いだ」と話した。 被爆者が歩んできた道のりを紹介し、世界へ核兵器廃絶を呼びかけた田中熙巳代表委員(92)の受賞演説について、「今までの思いを網羅し、訴えきるようなスピーチだった」と強調。会場中が「一生懸命聞き入っていた。スタンディングオベーションで受け入れられた」と振り返った。 ノーベル賞委員会のヨルゲン・ワットネ・フリードネス委員長の受賞理由説明については「核廃絶の訴えや、証言活動を被爆者だけに任せるのではなく、人類皆で引き継いでいかねばならないとのメッセージに感動した」と述べた。
オスロの街全体が祝賀ムードであふれ、歓迎の垂れ幕が掲げられているという。11日はオスロ大で学生と交流する予定で、「私としては改めてスタートラインに立ったような思いだ。今後の活動のヒントが得られるといい」と思いを語った。