怒鳴り散らされたウグイス嬢は復帰できず…起訴された柿沢・前法務副大臣に「パワハラ常態化疑惑」
昨年4月、東京都江東区長選挙をめぐり、東京地検特捜部は公職選挙法違反で前法務副大臣の柿沢未途・衆院議員を起訴した。1月18日、600万円を払って保釈された柿沢議員。しかし、疑惑はそれだけには止まらない。実は〝戦友〟であるはずの「ウグイス嬢」に対し、パワハラ言動が常態化していた疑いがあるのだ。選挙カーという〝密室〟の中で高圧的な態度を繰り返して、中には震えがとまらず涙を流し放心状態になるウグイス嬢もいたという。そのあきれた言動を目のあたりにした現役ウグイス嬢Aさんがこう明かす。 【内部資料】山崎元江東区長の不正がびっしり…衝撃の証拠文書 「ポスターの写真などを見ると、物腰はやわらかそうですが、それは自分より立場が上の方に見せていた態度だと思う。しかし、柿沢議員より立場が下の人には、人目につかないところで高圧的だったんです。逮捕されたニュースをみたときには思わず〝ガッツポーズ〟をしてしまいました」 こう話したAさんは、柿沢議員がみんなの党時代(’09年~’13年8月)に仙台へある議員の応援演説にやってきた時に、そのパワハラをナマで体験したウグイス嬢の1人だった。 「柿沢議員は選挙カーに乗ってきた時からの〝圧〟が強烈で異常でした。そして最前列で声出しをしていたウグイス(嬢)さんに対して『なんだ、その声かけは!』といきなりの恫喝ですよ。そして『俺たちは命をかけてこの仕事をやってんだ!時間がないんだよ』とまくし立てたのです。あんな勢いで怒鳴り散らされたことはありません。だからこそ、今もはっきり覚えています」 一番驚いたのは、声出しをしていたそのウグイス嬢だ。その女性は選挙カーの運転手の横に座り声出しをしていたが、ウグイス嬢の仕事の経験が浅く、柿沢議員の上から目線に恐怖を感じて声が出なくなってしまい、涙ぐんでしまったという。この時、柿沢議員はこのウグイス嬢のすぐ後ろの席に座っていた。 「われわれも仕事としてプロ意識をもってやっています。柿沢先生の物言いは明らかに異常でした。そのウグイスさんが涙ぐんでいるのに、舌打ちをしながらずっとイライラしていて、選挙カーの中の雰囲気は最悪でしたね。柿沢先生が選挙カーに乗ったのは3時間弱ぐらいでしたが、悔しくて一生忘れられない瞬間です」(Aさん) イライラが我慢しきれなかった柿沢議員は、最寄りのコンビニエンスストアに「車を止めてくれ!」と選挙カーの停止を指示。恫喝されたウグイス嬢はうなだれたままだったという。同乗していたAさんが柿沢議員に「もう少し、言い方を柔らかくしていただけないでしょうか?」とお願いをしたところ、「俺たちにはウグイス嬢の声出しを教える時間なんかない。そこまで言うなら君がマイクを持って声出しをやってくれ!」とウグイス嬢の交代まで指示をした。 「あとで聞きましたが、柿沢議員のパワハラ言動はわたしたちの選挙カーだけではなかったそうなんです」 選挙時のウグイス嬢は自薦や他薦によって、各議員の選挙事務所に集められる。 「政治家の先生が所属する政党が集めたウグイス嬢の日給は不透明です。私の場合、柿沢議員が応援した、立候補した先生からのオファーを受けて行ったので、1日1万5000円という契約でした」(Aさん) 柿沢議員はそんなウグイス嬢らの懐事情も熟知しているとあって「こっちはいくら払っていると思っているんだ。原稿の棒読みだけのウグイスなんかやめてもらえないか!」と、この時のパワハラはとどまるところを知らない状況だったという。 「私たちは雇われの身ですから、偉そうなことは言えませんが、柿沢議員のパワハラはとにかく腹立たしかった」(Aさん) 柿沢議員に言葉による”パワハラ”を受けた、このウグイス嬢は選挙スタッフらに「私がご迷惑をかけて本当に申し訳なかったです」と謝り続け、このことをきっかけに二度とウグイス嬢になることはなく辞めていったという。 事実確認のために、柿沢議員の事務所に取材を申し入れたところ、「担当者から連絡致します」と返答があったが、期日までに返答はこなかった。 今回、秘書4人と共謀していた選挙違反を当初は完全否定していた柿沢議員だが「買収の趣旨が含まれていたことは否定できない」と一転、容疑を認める意向をしめしたことについて、柿沢議員の本性を知るAさんは「100%反省しているとは思えない」と怒りが収まらない様子だ。自らの高圧的な言動によって結果的に身近な戦友であるはずのウグイス嬢の心が離れてしまった柿沢議員に、国民の生活を預かる資格はなかったのだろう。
FRIDAYデジタル