海外メディアは羽生V4を「勝つスケートをした」「17歳の強敵出現」と報道
一方、米国のメディアであるNBCスポーツは「GPファイナルでユヅル・ハニュウが4連覇の記録達成」という見出しで報じたものの、「日本のユヅル・ハニュウはGPファイナルで初めて4連覇を達成した選手となった。一方、17歳のネイサン・チェンは22年の大会史上で2番目に若いメダリストとなった」と、今シーズン、シニアデビューした母国の17歳のホープの2位につける大健闘ぶりをクローズアップした。 ネイサン・チェンはフリーでルッツ、フリップ、トゥーループの3種類の4回転ジャンプを4本も成功させ、自己ベストの197.55点でショート5位の遅れを取り戻し、羽生に肉薄して2位に食い込んだ。 そして同記事は、「オリンピックチャンピオンの羽生は、フリーでは10ポイントチェンよりも少なかったにもかかわらず、勝利を手中にした」と、皮肉交じりに書いた。 フリーの2人の演技を比較して「チェンが4つの4回転ジャンプで着氷した一方で、羽生は4回転で一度転倒し、ルッツが一回転に終わった」と伝えた。 NBCの記事によると、過去にGPファイナルで17歳のチェンよりも、若い年齢でメダルを獲得したのはエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)だけだという。のちに皇帝と呼ばれるプルシェンコは、1998-99年シーズンのGPファイナルで16歳で銅メダルを獲得している。 また米国の男子シングルでメダルを獲得したのは、2009年のエバン・ライサチェック(金)、ジョニー・ウェア(銅)以来だとし、チェンが来シーズンの平昌五輪でのメダル候補に急浮上したことに対して大きな期待を寄せた。 チームUSAの公式ホームページも、男子フリーで羽生を追い上げたネイサン・チェンをピックアップ。 「運動能力に優れたチェンは、フリーですべての4回転ジャンプを成功させ、自己ベストの197.55点をマークした。これまでアンタッチャブルのように見えた羽生にフリースケートでは勝った」と、チェンのフリーでの健闘ぶりを紹介。それでも羽生の偉大さについて触れることを忘れていなかった。 「君臨する五輪チャンピオンはショートプログラムでチェンに21.23ポイントの差をつけており、史上初のGPファイナル4連覇には十分な選手であることを証明した」 羽生にとってV4を達成したGPファイナルは、最強を証明したと、同時に来シーズンの五輪で脅威となる4回転の使い手のライバルが出現した大会ともなった。