花見の名所「飛鳥山」でサクラ満開 都電との競演も
東京のサクラが満開になって初めての週末となった4月2日、サクラの名所として知られる飛鳥山公園(東京都北区)に多くの花見客が押し寄せた。
八代将軍・徳川吉宗の植樹で名所に
飛鳥山は八代将軍・徳川吉宗が庶民のためにサクラを植樹したことで花見の名所になり、明治期には日本初の公園として造成された。飛鳥山公園の一画は実業家・渋沢栄一の別宅があったことでも知られる。1940(昭和15)年に開催が予定されていた東京オリンピックでは、飛鳥山にスタジアムを建設する計画も浮上したが、戦火が激しくなったことから政府はオリンピックの開催を返上。飛鳥山が東京オリンピックの会場になることは叶わなかった。
歴史由緒ある飛鳥山には約650本の桜が植樹されており、近隣の上野公園や隅田川と並び東京の桜名所として有名になっているため、東京都のみならず埼玉県や千葉県、茨城県からも多くの花見客が訪れる。 土曜日はあいにくの曇天となったが、家族連れ、カップル、会社の同僚、大学のサークル仲間と一緒にサクラを愛でようとする人たちで溢れ、公園内に設置されているステージでは愛好団体による踊りなども披露された。
都電荒川線とサクラの競演も
飛鳥山公園沿いの道路には都電荒川線が走っていることから、咲き誇る美しいサクラと電車が走る風景を収めようとするカメラを持った鉄道ファンも多く見られた。 また、道路を挟んで隣接する音無親水公園にもサクラが見事に咲き誇り、こちらの公園にも多くの花見客がレジャーシートを敷き、食べ物や飲み物を持参して花見を楽しんでいた。 今年のサクラは開花から散るまでが早いといわれており、来週には見ごろは過ぎてしまうとの予測も出ている。週末にゆっくりサクラを楽しめるのは4月2、3日だけになりそうだ。 (小川裕夫=フリーランスライター)