「視線がしっかり画面を向いているか」を徹底分析!夏ドラマ「注視率ランキング」で″まさかの明暗″
″まさかの明暗″がクッキリ!
放送開始から1ヵ月余り経った夏ドラマ。視聴者がしっかりテレビ画面を見ているかを調査した『注目度(注視率)』でランキングすると、″まさかの明暗″がクッキリ! 『Snow Man』の目黒蓮(27)や『嵐』の二宮和也(41)など人気俳優が主演を務めた作品を抑え、深夜番組が上位を独占したのだ――。 【まさかの明暗】視聴率とギャップ!「夏ドラマ」注目度ランキング16位~ 対象は、7月にスタートした(一部6月開始の作品を含む)民放キー局の33ドラマ初回放送分である。独自の方法で調査を行ったのは、テレビの視聴データ分析会社『REVISIO』(以下、R社)。R社のデータを基に、夏ドラマの注目度上位30位をランキングしたのが29~30ページの表だ。個々の作品や全体の傾向について解説する前に、視聴率とはまったく違う注目度の測定方法について説明したい。R社の広報/マーケティング担当・安武早織氏が語る。 「注目度は、視聴者の視線がどれだけテレビ画面にクギづけになっていたかで計ります。一般家庭のテレビにセンサーを設置し、視聴者の骨格が画面を向いているかを測定。テレビの前にいる100人のうち70人が画面を見ていれば、注目度は70%になります。他の作業をしながらの『ながら見』ではテレビ画面が見られていないことが多く、視聴率は高くても注目度は上がりません。(表に掲載した)視聴率も弊社が独自に調査しました。現在、関東と関西で計2600世帯(約6300人)ほどにご協力いただいています」 ランキングを個別に見てみよう。 1位・『あなたの復讐、実況します!』(テレビ朝日系) 2位・『量産型リコ』(テレビ東京系) トップ1、2を独占したのは、いずれも深夜ドラマだ。深夜枠のため視聴率は1%以下と低いが、注目度は他を圧倒している。安武氏が続ける。 「『あなたの復讐』は、元アナウンサーでお笑いコンビ『コットン』の西村真二さん(40)が世の中の悪を実況しながら痛快に裁く一話完結のドラマです。『量産型リコ』は、『乃木坂46』の与田祐希さん(24)が亡くなった祖父のプラモデル製作を引き継ぐという内容。両作品とも深夜枠で、とくに『あなたの復讐』は放送開始時刻が明け方3時前とかなり遅い。他局はショッピング番組が多いため、テレビをザッピングした視聴者がわかりやすい内容にクギづけとなったのでしょう。深夜に帰宅したサラリーマンや学生にウケたのか、いずれも男性の注目度が2位、4位と高いのが特徴です。人気アイドル与田さん主演の『量産型リコ』は、24歳以下の若い男性から圧倒的に支持されています」 ◆“前作からの継続感” 3位に入ったのは、杉野遥亮(ようすけ)(28)主演の『マウンテンドクター』(フジテレビ系)だ。R社のカスタマーサクセス担当・青柳汰一氏が解説する。 「通常は前クールのドラマが終わると、新作が始まるまで2~3週間ほど間があきます。しかし今回はパリ五輪の影響などで、間がなくすぐに放送されるケースが多く”前作からの継続感”が強かった。『マウンテンドクター』は、その恩恵を受けたといえるでしょう。前クールの『アンメット ある脳外科医の日記』(主演・杉咲花)にクギづけとなった多くの女性視聴者が、そのまま同じ枠を見続けたことがわかります(女性注目度3位)。『アンメット』と同じ医療モノですが、あまり取り上げられていない山岳診療をテーマにしたのも新鮮味がありました」 4位の小芝風花(27)主演『GO HOME』(日本テレビ系)、3人の女優を中心に展開する5位の『ギークス』(フジ系)は、いずれも警察モノだ。 「警察モノでも、内容は硬くなくライトで明快なストーリーのため注目度が高いのでしょう。例えば『ギークス』は松岡茉優(まゆ)さん(29)や田中みな実さん(37)、滝沢カレンさん(32)が井戸端会議をしていると、いつの間にか事件が解決しているという展開。リラックスして見られるのが評価されています」(安武氏) 意外なのは視聴率で1位、2位となっている『ブラックペアン2』(TBS系。注目度8位)と『海のはじまり』(フジ系。同12位)がやや伸び悩んでいることだ。それぞれ二宮和也と目黒蓮という人気俳優が主演し、心臓外科や父親の役割がテーマとなっている。芸能リポーターの長谷川まさ子氏が、2作品の分析をする。 「現代は2~3倍速でドラマを見る『ファスト鑑賞』が流行しています。一話完結や、痛快で早い展開がウケるのでしょう。一方で『ブラックペアン2』は伏線が多く複雑なストーリーで、『海のはじまり』は目黒さんのセリフから心情をくみ取るという難解さに、ついていけなくなる視聴者がいるのかもしれません」 テーマだけでなくライトな展開か否(いな)かで、注目度は大きく異なるようだ。 『FRIDAY』2024年9月20日号より
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